24日に開幕した東京モーターショーでマツダが発表した『大気』(たいき)は、「空気の流れが目に見えるデザイン」を目標としたピュアスポーツコンセプト。
デザインを担当した山田敦彦チーフデザイナーは、「大気は、空気をモチーフにデザインされました。空気が流れるダイナミクスさ、軽さを表現しました」と言った。
目に見えないものを、モチーフとして共有できたのか。「それは大丈夫でした。まずはスケッチで表現し、風洞実験にかけました。エンジニアとの協力のもとで具現化しました。根底に、デザイナー達が、“マツダらしさ”を強く意識していたからこそ、1つの目標に向かえたのかもしれません」と、山田チーフデザイナーは振り返った。
後部でキックアップされたアンダーフロア、フロントフェンダーから後方へ吹き下ろす気流が、ボディとリアフェンダー間のトンネルを抜けることでダウンフォースの発生につながり、CD値0.25、ゼロリフトを達成している。絵空事ではないことが証明されている。
ドアに刻まれたレリーフも、風洞実験で体感した加速する気流がモチーフになっている。「これによる空力への悪影響はありません。ニュートラルな値でした」(同)ということだった。
「インテリアは鯉のぼりをモチーフに、風の動きを視覚的に表現しています。白と黒に分けたカラー、素材、ラインの強弱で、ダイナミックさと、リラックスさを狙いました」ステアリングは、ローターがモチーフ。インパネの赤い点線は、レヴ・カウンターとなっている。「これによって、エモーショナルさを狙っています」と山田チーフデザイナーは語った。