BMW、新開発のヘッドレストを導入…頸椎損傷の危険性を大幅削減

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BMWは、衝突時に作動する新開発のヘッドレスト「オキュパント・セーフティー」をBMW『6シリーズ』、『5シリーズ』、『X5』、『X3』の全モデルに標準装備する。この新開発ヘッドレストは、後部からの衝突の際に頸椎損傷の危険性を大幅に削減する。

衝突時にヘッドレストと頭部の間に隙間が生じないよう、乗員の頭部が衝撃で後ろに反る前にヘッドレストが瞬時に最大60ミリ前方、最大40ミリ上方に移動する。これによりヘッドレストの安定した安全機能が強化され、怪我の危険性や頚椎への影響を最小限に抑えるとしている。

鞭打ちとも呼ばれる頸椎症候群は、交通事故の怪我の中でも最も一般的なもので、後部からの突発的な衝撃が原因となっている。多くの場合に大きな痛みを伴い、都市部における低速での衝突でも発生する。

こうした衝突を減らすため、BMWでは2003年に2段階点灯式ブレーキライトを導入した。ドライバーが強くブレーキを踏んだ時にブレーキライトの点灯面積が広がり、一目で分かるサインを送ることで後続車のドライバーにも強めのブレーキを促す。さらに、衝突が避けられない事態に陥った場合、今回開発したヘッドレストが衝突時に作動し、さらなる乗員保護につながるとしている。

衝突時に作動するヘッドレストの内部は、パイロ・アクチュエーターで作動する複合スプリング駆動のメカニカル制御装置で構成する。パイロ・アクチュエーターが点火されると、リリーススティックがリリースプレートを動かし、2つの調整スプリングを解放する。これらのスプリングは、衝撃プレートとヘッドレストのパッドを前方と上方に移動させる。車の背後にセンサーが衝撃を感知すると、即座にパイロ・アクチュエーターがエアバッグ制御装置から点火の信号を受け取る。

また、新型ヘッドレストは、ヘッドレストの安定性と安全機能だけでなく、運転中の快適性も強化している。従来のヘッドレストは乗員の頭部に近すぎて動きにくいことが多かったが、新型ヘッドレストは頭部にくっついている必要はないため、開放感を増している。

新型ヘッドレストの安全機能が作動すると、チェック/コントロールメッセージがインパネに表示される。パイロ・アクチュエーターの交換は、BMWディーラーで行なう。

《レスポンス編集部》

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