新型トヨタ『ランドクルーザー』のデザインについて、開発を担当したトヨタ車体デザイン部長の大槻唯夫さんは、「ランドクルーザーは、中近東で、クルマを複数所有する人のファーストカーという顔がある。見せ掛けではなく、本物の造形を目指した」と、コメント。
「キャラクターが確立した車種だということと、『ハリアー』等の他車種との兼ね合いから乗用車に近寄るスタイリングにする必要もなかった」
デザイン上のランクルらしさについては「顔つきに関して、40系から続くランクルフェイスという“Tの字”を大事に表現した」と同じく大槻さん。バンパーに食い込むようなフロントグリルになり、先代より縦方向の厚みを増している。
「ベルトラインを若干上げ、内側から臨む“安心感”を確保しつつ、“内から溢れる筋肉”のようなドア断面を与えた」と、進化したポイントを加えた。そのため、オーバーフェンダーや、グルーヴの入るアンダーガードといった表現は避けている。一体感が増したバンパーや、ブラックアウトしたサイドステップ等も効いている。
先代までの特徴だったDピラーのベンチレーションも廃し、面を太く力強く見せることを優先している。「ベンチレーションダクトが加わることで弱く見えることを避けた。しかし、機能自体はリアバンパーに格納されているため、犠牲にはなっていない」と、大槻さんは語った。
これらに加え、ショルダー面をリアへ回しこんだことや、ヘッドランプ・リアコンビランプをボディより張り出すことによって、“ワイド感”がかなり強調されている。