7月にバージョン2がリリースされ、案内機能や通信連係機能の強化を果たしたインクリメントPの助手席ナビアプリ、「MapFan ナビークル」。開発担当の広瀬浩司氏に、ナビークルの開発経緯と、バージョンアップのポイントについて話を聞いた。
◆携帯電話は理想的なナビゲーションツール
----:7月25日にMapFanナビークルのバージョン2がリリースされたばかりですが、その話の前に、まず開発のきっかけから教えてください。
広瀬:学生のころからクルマに乗っていたのですが、当時は20万円や30万円もする高いナビしかありませんでした。その時から、手軽に安く利用できるナビの入門機が作れないものか考えていました。そのナビは常に持ち運べればもっと便利だろう、と。
----:実際に開発に参加されたのはいつ頃からですか。
広瀬:会社に入って3年くらい経ってからですね。それまではエアナビのコンテンツなどをやっていましたが、ケータイ向けのナビゲーションサービスをやってみないか、と声がかかったのです。
----:いつも身近に持っている携帯電話はまさに理想的なナビゲーションツールだったのですね。
広瀬:ケータイだったら、いつも持って行けるし、使いたいときに使うことができますからね。これで作ってみよう、と。
試作版は2004年にできあがりましたが、ナビゲーションとして利用するには当時の端末ではGPS性能が物足りないなあと感じていました。車載用カーナビと同程度のルート案内の品質は維持する必要がありましたから、それにケータイのナビゲーションを追いつかせるためには時間がかかりましたね。安全にわかりやすくというところにも苦労しました。
さまざまな改良を加えていった結果、端末としてもソフトウエアとしても自信を持ってユーザーに提供できる水準になったことから、2006年の10月にドコモの903iシリーズ向けのサービスとして「MapFanナビークル」をリリースしました。