「5ナンバーセダンの完成形を目指した」(渡辺捷明社長)というトヨタの新型ファミリーセダン『プレミオ』『アリオン』(6月4日発表)。
質感の高い内外装を持ちながら、価格帯は174万3000円(アリオン1.5リットルFWD)から243万6000円(プレミオ1.8リットルEXパッケージAWD)。インテリジェントパーキングアシストが設定されない、液晶モニタがオプションであるなどの装備差はあるものの、1クラス下の『カローラ』と大きな価格差はない。プレミオ/アリオンとカローラはどのように住み分けがなされるのか。
開発責任者の日高達郎主査は、「プレミオ、アリオンは国内専用モデル、カローラは世界戦略車という位置づけの違いがありますが、プレミオ、アリオンは機能面ではカローラを全面的に上回っていると思っていただいて差し支えありません。その意味ではかなりお買い得なモデルに仕立てられたと思います」と、プレミオ/アリオンの優位性を強調する。
「私がとくにこだわりを持ったのは、走りを楽しめるセダン作りという点です。プレミオ/アリオンは足まわりのセッティングを欧州テイストに仕立てました。コーナリングでのハンドリングは軽快。また大きなうねりを通過したさいにも、上下動が一発で収まるようチューンしています。このあたりのテイストはカローラと大きく違っています」(日高氏)
カローラよりちょっと上級という位置づけのプレミオ/アリオン。同じエンジン、同じシャーシを使うカローラとの差別化は、ボディサイズや内外装の質感といった物理的な面だけでなく、カローラ=パブリック、プレミオ/アリオン=パーソナルというキャラクター面にも及んでいるのだ。トヨタの緻密な商品ラインナップ戦略の一端がうかがえる。