コモンレール式直噴ツインスクロールターボの1.6リッターユニットは、じつに爽快に吹け上がるのだ。
パワーは低回転から力強く確保されているし、ターボラグは常識的な範囲で抑えられている。だがそんなことよりも、気持ちよく回るその回転フィールに驚かされた。さすがBMW製エンジンである。
フットワークはまるで前後重量配分に優れたFRのように整っており、いかにもBMWの細工が行き届いていることを窺わせる。チョコチョコと駆け回るようなラフなフィーリングではない。安心して攻められるのだ。
タイヤのグリップするようすが、ダイレクトに伝わってくることにも驚かされた。ステアリングインフォメーションをしっかり残してくれていることも、BMWのなせる技なのだろう。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★☆
インテリア/居住性:★★★☆☆
パワーソース:★★★★☆
フットワーク:★★★★☆
オススメ度:★★★★☆
木下隆之| モータージャーナリスト
プロレーシングドライバーにして、大のクルマ好き。全日本GT選手権を始め、海外のレースでも大活躍。一方でカー・オブ・ザ・イヤー選考委員歴は長い。『ジェイズな奴ら』を上梓するなど、作家の肩書きも。