【池原照雄の単眼複眼】ホンダ役員人事---国内強化とポスト福井体制

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【池原照雄の単眼複眼】ホンダ役員人事---国内強化とポスト福井体制
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◆前例にとらわれない福井流人事

ホンダは6月末の取締役人事を内定するとともに、新年度入りの4月に実施する役員の委嘱(担当部門)を決めた。福井威夫社長は、4月以降の新体制の狙いについて「国内強化」を第一に挙げる。一方で、ポスト福井体制を担う次期トップ候補も、より明瞭になってきた。

福井社長は現在、就任4年目。役員任期は1年のため、自ら手がける役員人事も4回目となった。2年前の人事では、本田技術研究所のトップを工場長(鈴鹿製作所長)に起用するなど、前例にとらわれない布陣づくりが注目された。

今年はナンバー2の青木哲副社長が空席の会長に就任、後任には近藤広一専務が昇格する。近藤専務は4月から日本営業本部長に就き、昨年3月の販売チャンネル統合から1年が経過する「国内再編をきちんと仕上げる」(福井社長)役回りを担う。


◆国内営業に異例の副社長起用

ホンダの国内営業担当に副社長が就くのは異例。福井社長は08年に展開が始まる「アキュラ」販売網の「準備もある」とし、国内重視を強調する。近藤専務は、北米地域本部長として北米の統括会社やアメリカン・ホンダモーターの社長を兼ね、最大の収益源である北米事業を順調に拡大してきた。

かつては国内営業部門にも従事しており、登録車市場の衰退というホンダにとっても危機的な国内営業の建て直しに取り組む。また、アキュラ販売網の構築についても北米での経験を生かし、日本ならではのアキュラ展開を図るうえで適任だ。


◆“苦情のるつぼ”を経験した次期トップ候補

一方、ポスト福井候補では、2年前に研究所社長から鈴鹿製作所長に転じ、生産部門を経験した伊東孝紳常務執行役員が4月に4輪事業本部長に就く。伊東氏は6月末には代表権のある専務に昇格、数年後に福井社長の後継となる路線がより明瞭に示された形だ。

福井社長は後継人事については、「そんなの、まだ分かりませんよ」と、公式見解で逃げる。だがこの2年間、伊東氏が未経験だった生産部門のトップを無難にこなしたことから、現時点で最有力候補であるのは間違いない。

福井社長は米国4輪工場および国内2輪工場での経験がある。工場長は「研究所や販売部門などあらゆる部署からの苦情が集中する、いわば苦情のるつぼ」というのが福井社長の持論。

そこに伊東氏を放り込んだのも、工場長の経験は、今やホンダのトップに欠かせない条件と考えたからだった。長年、研究所社長はホンダ社長への登竜門と指摘されてきたが、工場長という新たなゲートが加わった。
《編集部》

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