ダイハツが18日に発表した軽ハッチバック、新型『ミラ』は、安全性やボディ剛性を向上させるため、シャーシの強度が大幅に引き上げられている。軽自動車はボディ寸法が全長3.4m、全幅1.48mと決められているため、普通車に比べて強度を上げるのは難しい。
強度確保のため、新型ミラには高張力鋼板が広範囲に使用されている。フロントメンバー、サイドメンバーなど衝突安全に関わりの深い部分には440MPa(メガパスカル)級、Bピラーおよびバンパー裏板部には990MPa級の超高張力鋼板を採用。衝突安全性の向上や剛性確保、軽量化などに寄与している。
高張力鋼板はボディの強度アップに役立つ便利な材料だが、デメリットもある。通常鋼材に比べて価格が高く、リサイクル性でも劣る。さらに、世界生産を考慮する場合、調達しにくい先端材料の使用は、現地生産を行ううえでネックとなる。
「今後、高張力鋼板の使用割合がさらに大きく増えるということは考えにくい。高張力鋼板を使うと、部材の優秀さに頼った設計をしてしまうということもありますし、調達面でも難点があります。今後はこれらの材料をできるだけ使わない工夫も必要になると思います」(チーフエンジニア・大野宣彦氏)
軽自動車の高品質化は、競争の激化によってとどまるところを知らなかったが、それもそろそろ沈静化に向かう気配。その点、ぜいたくな設計、材料を使った“今どきの軽”であるミラはやっぱりお買い得!?