【池原照雄の単眼複眼】オジサン惹きつける『スカイライン』の魔力

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【池原照雄の単眼複眼】オジサン惹きつける『スカイライン』の魔力
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◆初期受注の最多は60代以上の36%

クルマの顧客ターゲットはメーカーの思惑通りにはなかなかいかないものだ。三菱自動車の軽自動車『i』(アイ)は、30代の女性ユーザーがコアになると見込んでいたが、50代の男性から高い支持を得た。日産自動車が20日発売した『スカイライン』でも似たような現象が起きている。初期受注では、何と60代以上が最多の36%を占めたのだ。

スカイラインは発売後1週間の受注が4144台と、好調な出足となった。日産の志賀俊之COOは発表の席上、国内では年度内に「何とか1万台を販売したい」と表明していたが、そのラインは突破できる勢いだ。

顧客ターゲットについては「40代後半を中心に幅広い層」を狙っていくと話していた。だが、初期受注を見る限り、中心層の狙いは外れている。最多の60代以上に次いで多かったのは50代の25%。さらに30代の19%と続き、「中心」に据えていた40代は18%にとどまっている。


◆「愛の…」「ケンメリ」が深く刻まれた世代

「50代以上」でとらえると6割超に達しており、まずは熟年層から圧倒的な支持を獲得した形だ。この世代に入る筆者には、何となく分かる気がする。こうした世代が20代から30代だった当時は、スカイラインの絶頂期でもあったからだ。

1968年に登場した3代目(C10系)は「愛のスカイライン」、72年の4代目(C110系)は「ケンメリのスカイライン」として、「僕と彼女」の間を介するクルマという絶妙のイメージを創りあげた。もちろん、走りも良かった。

ただし、筆者もそうだが、手が届かない存在として終わった人も少なくないはずだ。そうした人々が子育ても終わり、家族グルマのミニバンを捨てる時期にぶつかっている。


◆クルマ本来の楽しみを若年層にも

中には商品力の充実した軽自動車に向かう人もいるだろうし、スカイラインのようなクルマで思い切り走ってみたいという人もいるだろう。

日産が12代目のスカイラインに託す「ときめきや感動をもう一度呼び起こすクルマ」(志賀COO)というメッセージは、初期受注段階では熟年層に素直に受け入れられた形となった。日産は、来年4月からは誕生50周年を記念して「スカイラインイヤー」を展開する。

そうしたイベントを通じてクルマを走らせることの楽しさや喜びが、もう少し若い層にも伝わっていけば、日産にとどまらず自動車産業全体にとっても大きな意味をもつ。
《池原照雄》

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