多数の燃料電池電気自動車(FCEV)が展示されたEVS22。水素から電子を取り出すための触媒にプラチナを使うことから、燃料電池は資源問題で行き詰まるという意見もあるが、開発関係者は、近年の燃料電池関連技術の進歩によって、展望はひらけつつあると主張する。
9月に記者団に公開され、俊足ぶりをアピールしたホンダFCXを開発している本田技術研究所の川口祐治執行役員は、「現時点で燃料電池に使うプラチナ量は、普通のクルマの三元触媒並みとまではいきませんが、それと大きく変わらないくらいまで減ってきています。一方、燃料電池のプラチナは電解膜の一種であるため、ほぼ100%リサイクル可能。この点は三元触媒よりむしろ優位なのです」と語る。
プラチナに代わる代替触媒材料の発見は現在も難航しているが、プラチナを使用する燃料電池でも、それまでのつなぎ技術としてかなり使える見通しが立ってきているのだ。