トヨタ最大の世界戦略車、新型『カローラ』。ボディはセダン「アクシオ」とステーションワゴン「フィールダー」の2タイプがあるが、旧型と大きく異なるのは、ステーションワゴンのほうを設計やデザインのベースとしている点だ。
その理由について、チーフエンジニアの藤田博也氏は「セダンとワゴンの2ボディを開発する場合、実はワゴンを基本にしたほうが都合が良いことが多いんです」という。
「ワゴンはセダンに比べて開口部が大きいため、セダンからワゴンボディを起こす場合には剛性、受動安全、静粛性など、さまざまな性能を満たすために結構苦労するんです。反対に、十分な性能を持たせたワゴンボディをベースにセダンを作ると、設計のやり直しがとても少ないんです」と説明する。
新型カローラはボディ設計だけでなく、デザインもステーションワゴンから先に行ったという。商用車色を払拭した乗用ワゴンとして旧型9代目カローラで登場したフィールダー。旧型ではセダンの半分以下の台数だったが、新型ではセダンのアクシオと同数の月販6000台を目標に掲げる。10代目カローラ、最適設計という観点からは断然フィールダーがお勧めだ。