4リッターV8のパワーと、3リッター直6の燃費とを両立するといわれる、新開発の3リッター直6ターボエンジンは確かにパワフルだった。
1500rpm付近から過給が始まり、太いトルクで地面を蹴りだしてくれる。それでいながらBMW独特の高回転での心地よさも両立しており、7000rpmまでキレイに回りきる。こんな爽快なターボエンジンは今までなかった。
ローダウンされたスポーツサスを採用しているので、見た目はアグレッシブだが、乗り心地は意外なほど快適。後席も広く、大人4人でも快適なロングツーリングが楽しめる。
フロントマスクやテールランプなども、ひと目でクーペ専用とわかるデザインになったので、クーペ独特のプレミアム感も大幅に高まっている。ターボモデルの『335i』しかないので、価格は701万円するが、この贅沢な雰囲気と走りは、3シリーズクーペでしか味わえないものだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★☆☆
インテリア/居住性:★★★★☆
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★☆
オススメ度:★★★★☆
岡島裕二| モータージャーナリスト
20代前半にレースの参戦資金調達のために自動車専門誌出版社に勤務。その後ウェブ編集者を経て、2003年よりフリーモータージャーナリストに転身。レース経験を生かした試乗インプレッションと、貧乏生活から芽生えた価値観をもとに、クルマの本質を鋭く分析。