5 | 成熟した価値観や審美眼を持った方に |
デザインへのこだわりも強い。N71は日本では見慣れたクラムシェル(折りたたみ型)のフォルムであるが、細部にはノキアらしさの表現が数多あるという。
「例えば塗装やカラーリングにおける品質にはこだわっています。これは日本メーカー製の携帯電話を並べて見ていただけるとわかりやすいのですが、同じ黒系統の配色でも、階調や色調に微妙な表情をつけています。また金属部品は質感をだすために、樹脂のメッキパーツではなく、本物のステンレスを使っています。フレームにも樹脂ではなく金属を使っている。他にも、これはノキア製のモデル全体に共通するのですが、ボタン類の数を抑えてシンプルな構成にし、クリーンな印象を心がけています」
「N71は成熟した価値観や審美眼を持った方にわかっていただける、微妙ですが確実な(デザインの)差がある製品になっています」(日下部氏)
一方、海外メーカー製の携帯電話というと、日本語環境を心配する向きもあるだろう。この点について日下部氏は、「日本メーカー製の携帯電話とまったく遜色ない」と断言する。
「日本向けに発売するにあたり、日本語環境について我々もかなり研究しています。日本語変換システムについても、日本市場で競争力のある技術を導入していますので、使っていただければ問題がないことがわかります」(日下部氏)
実際、最新機種のNokia N71では、日本語の予測変換などトレンド機能が搭載されており、メール機能も日本メーカー製品と違う操作体系も一部あるが、キーの配置やメニュー構成はノキアのポリシーに基づいて使いやすく作られている。
このようにN71は高級・プレミアムと評するに充分な内容であり、実際、欧州では400ユーロ(約6万円)以上のプライスタグがぶら下がる。しかし日本ではキャリアの販売奨励金があり、さらにボーダフォンは端末の売り出し価格がドコモやauより低く抑えられている影響もあり、実売価格は1万円代後半だ。これは“破格のプライス”といっていただろう。
「N71がイメージするのは、仕事を持っていて、広い視野や高い情報感度のあるひとです。インターナショナルな感覚もお待ちでしょう。N71はビジネス向けの優れた機能と、プライベートで楽しい機能が両立しており、デザインの質感も高い。仕事とプライベートの両方で、充実したライフスタイルをお持ちの方は、N71のよさがわかっていただけるのではないかと考えています」(日下部氏)