運転席の位置が高いミニバンに乗っている人の中で、そのクルマの車両感覚がバッチリわかっているドライバーはとても少ないようだ。その原因のひとつは死角が大きいということだ。ドライバーのアイポイントが高いのはよいことなのだが、グリーンハウス(窓の面積)が狭いと死角が大きくなってしまうのだ。
しかし、新しい『セレナ』は運転席と助手席の窓の下端が後ろの窓より下がっているから死角を狭くできた。つまり運転席から見て、反対側である助手席サイドの視界がよいので車両感覚を掴みやすくなっている。ビギナーにはありがたく、ベテランにもより安全な運転ができるようになる。ミニバンのデザイナーにはただ売りやすいスタイルを作るだけでなく、このような運転がしやすく実用上有利で安全につながる大胆なデザインを望みたい。
インテリアはシートアレンジが最優先だったようで、2列目、3列目でもしっかり座れて乗員全員の3点ベルトとヘッドレストが足りない。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★☆☆
パワーソース:★★★★☆
フットワーク:★★★★☆
オススメ度:★★★☆☆
こもだきよし| モータージャーナリスト
クルマ好きというより運転が好きなモータージャーナリスト。日本自動車ジャーナリスト協会副会長、BMWドライバー・トレーニングのチーフインストラクター、JAF交通安全委員会委員、警察庁各種懇談会委員などを務める。