1.7m台後半という全幅サイズのボディに1.5トン級の重量。3.2リッターという排気量の6気筒エンジンに電子制御式4WDシステムの組み合わせ……ひと昔前までであれば到底「ゴルフのもの」などとは思えなかった一見“重厚長大”とも思えるそんなスペックを羅列するのが、先日のフランクフルト・モーターショーでお披露目され、この春には日本にも導入されるという新しい『R32』だ。
今からまだわずかに3年ほど前の2002年の8月。最高速247km/hを誇る“最速のゴルフ”としてリリースされたのが、『ゴルフIV』をベースに開発された初代R32。自らが当初予定をした5000台という数を早々に売り切り、最終的に世界トータルでは14000台という数を捌いた初代モデルのそんな販売動向に気をよくして(?)、今度はベースモデルであるゴルフVがリリースされてまだ間もないこのタイミングでのデビューとされたのが、R32としては2代目にあたるこの新型ということになる。
そんな新しいR32を外観上で“普通のゴルフ”と見分けるのはたやすい作業だ。フロントマスクは、このところのVW車に共通をする“ワッペングリル”の部分がアルミニウム・ルックの光沢仕上げ。そんな華やかさを増した顔つきに呼応するように、リアビューにも独自の化粧を採用。フロント同様やはり専用のデザインを施されたリアバンパーの下部中央から顔を覗かせるのは、いわゆるセンター2本出しスタイルのテールパイプ。さらにサイドビューでは20本のスポークを備える18インチのロードホイールが特徴。
かくして、ボディパネル自体にこそは手を加えられていないものの、全般になかなかセンスよくスポーティにまとめられているのがR32のアピアランスなのである。(つづく)