2リッターになって、かなり速くなった。横に並べて250psの『RX-8』とヨーイドンをやったら、エイトが1車身差で追いつけなかった。もっとも、ある雑誌がベンチテストにかけたら、エイトは広報車でも200ps出ていなかったという話だが。
しかし、パワフルになって、3ナンバーボディ化されても、体感温度は変わっていない。相変わらず山道ではスイスイ楽しい。それはATモデルでも同じ。シフトスイッチの配置が不適切なのは残念だが、豊かなトルクを利して、3代目は楽チンにATで乗るのも手か。
ただ、そうなると、内装の安っぽさが悲しい。一見、アウディ『TT』クーペ風でも、『ベリーサ』同様、よく見たり、爪で叩いたりするとダメ。半値で買えるスズキ『スイフト』のほうがずっと上等である。
なにしろ“変わっていないこと”が魅力なのだから、旧型オーナーはアセる必要なし。いまでも、いちばんカッコイイのはNA型でしょ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★☆
インテリア/居住性:★★★☆☆
パワーソース:★★★★☆
フットワーク:★★★★☆
オススメ度:★★★★☆
下野康史| モータージャーナリスト
自動車専門誌の編集部を経て、モータージャーナリストに転身。現在はクルマ雑誌を始め、週刊誌のコラムなど幅広く執筆活動を行っている。親しみやすい文体のなかに見える、鋭い着眼点や独特の語り口にファンは多い。