マツダ『先駆』のインテリアは、エクステリアと同様、デザインに徹底的にこだわっている。大型のスライドドア「フライングウイング」を開けると、本物感あふれる素材をふんだんに使用したシックなムードのインテリアが目に飛び込む。
カラーはブラックとレッドの2トーンを基本とし、随所にメタル素材を配したもの。シート表皮の皮革はタンニンなめしとアリニン染めが施された、高級家具用素材だ。
デザイン本部の岩尾典史氏は、「造形には徹底的にこだわりましたが、奇をてらってはいません。フォルムのシンプルさを保ちながら、スポーツカーの魅力である動的なイメージを表現できたと自負しています」と語る。
いいもの、美しいものに巡り会ったとき、大の大人が心を一瞬高ぶらせる……、そんな大人の感性に応えるスポーツカーの“先駆者”たらんとするモデルがこの先駆なのである。
キャッチフレーズは「4シーターロータリースポーツの近未来」。先駆は純粋なデザインスタディだが、その思想を大いに反映させたロータリースポーツは“近未来”、すなわち案外早い時期に登場するのかもしれない。