「普通」が一番。一家に1台ニッサン『ノート』。とかく速さとか凄さばかり喜ぶ世相に冷や水を浴びせる傑作ファミリーカーだ。手ごろな大きさの中に「当たり前の使いやすさと当たり前の性能」を過不足なく詰め込んである。
とくに光るのはモノ関係。ハッチバックの中は床板をいろいろに使い分けて、大きな荷物も丸呑みできれば、小さな荷物も適当に区分けして転がらないように積めて便利。もちろん後席を折りたためば奥までフラットだし、操作も簡単で軽い。
いっぽう、運転席まわりの小物入れも異例に充実しているのが嬉しい。サングラス、小銭入れ、ティッシュ、CD、子供のお菓子など、とかく車内は雑物が散らかるもの。でもノートならササッと収納できる。コンソール部の単純なボックス型スペースも使いやすいし、グラブボックスなど奥行き無限大?
走行感覚も「普通のよさ」が大切なので、グレード選びも15インチでなく、おとなしい14インチ仕様がお薦めです。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★☆
インテリア/居住性:★★★★☆
パワーソース:★★★★☆
フットワーク:★★★☆☆
オススメ度:★★★★★
熊倉重春| モータージャーナリスト
東京・焼け野原の戦後第一期生。25年間クルマ雑誌に勤めて何でもやったので、フリーのジャーナリストになった今でも何でもやる。いや、クルマのことなら何でも首を突っ込みたがる。今最大の関心事はエネルギー問題。