次期『シビック』に搭載される新型「ホンダIMA」の1.3リットルi-VTECエンジンは、4気筒すべてを気筒休止させる機構を備えている。気筒休止時には吸排気のポンピングロスがなくなり、エンジンの抵抗は約3分の1に減る。
エンジンブレーキが減少したぶん、運動エネルギーをモータージェネレーターによる発電で消費するのである。ドライバーがエンジンブレーキと感じている減速の多くは、モーターによるエネルギー回生にともなうブレーキングなのだ。
現行IMAの4気筒中3気筒休止から全気筒休止へと進化したことで、次期シビックは全気筒休止時にモーターのパワーのみによる走行を行うようになった。
と言っても、トヨタ『プリウス』のようにエンジンが完全に停止するわけではない。モーターとエンジンが直結されているため、全気筒休止状態のときには、モーターは変速機を介して車輪を駆動させつつ、エンジンも空転させるのだ。
すなわち、新型シビックのモーター走行は、パラレルハイブリッドにおけるモーターアシストの一種なのである。パワーゼロのエンジンをモーターがアシストするというわけだ。ゆえにモーターのみによる走行は、負荷の低い低速巡航時という限定的な状況でのみ行われる。