スバル『フォレスターSTIバージョン』が、ビッグマイナーチェンジを行なったNEWフォレスターをベースに生まれ変わった。NEWフォレスターはマイナーチェンジの際に足回りを改良し、乗り心地を大幅に向上している。その方向性はフォレスターSTIバージョンにも受け継がれている。
サスペンションはマイナー前と同じようにベースのフォレスターに対して、かなりハードに硬められている。だが、今回の変更で、新型は乗り心地がマイナー前よりもよくなっている。反面、フロントの動きは多少ゆるくなった気はするが、それでもじゅうぶんにシャープさは感じられ、サスペンションの硬さと操縦安定性のバランスが、高い次元で両立されている。
ステアリングギヤボックスにダンパーバルブが追加されているので、225/45R18という太いタイヤのわりには、路面からのキックバックも抑えられるようになった。インテリアでの変更点はないが、スピードメータは240km/hまで刻まれたスポーティなデザインを採用している。
265ps/38.5kgmを発生するエンジンには手が加えられなかったが、ミッションはシフトストロークを伸ばしたことで操作性を高めている。ショートストロークのほうが素早いシフトが可能だが、シビアな操作性が要求されるので、あえてシフトレバーの長めに設定し、確実なシフトワークを狙っている。
フォレスターSTIバージョンの開発責任者である竹内明英さんは「今までのフォレスターSTIバージョンは少しマニア向けの味付けになっていましたが、新型では幅広いユーザーの方に走りを楽しんでいただけるよう、操作性と乗りやすさを重視しています。尖った部分は抑えながらも、狙ったとおりのクルマに仕上がったと思います」とコメント。
NEWフォレスターSTIバージョンは少しカドが取れた印象はあるが、走りの本質は変わっていない。日常的な走行では快適になりながらも、STIバージョンの雰囲気はじゅうぶんに楽しめる内容に仕上がっている。