チェリー(奇瑞汽車)が年内に発売予定のセダン『A21』は、同社が独自にデザインしたものというが、実際は「某日本車メーカーを退職したデザイナーをコンサルタントとして雇い、その人物がディレクションしたもの」らしい。
どのメーカーに所属していたデザイナーかは闇の中だが、そういえば『A21』は某メーカーの北米車種によく似ているような……。いや、根拠のない推測はやめておこう。
寸法は全長4552mm、全幅1750mm、全高1483mm。ホイールベースは2600mmと日本でいうミドルクラスのサイズで、エンジンは『M14』と同じ2種のガソリンと1.9リットルターボディーゼルが設定される。
同じメーカーが幾人もの社外デザイナーを起用することについて、日本のデザイナーは「節操がない」と思うかもしれないが、日本メーカーの過去を振り返って考えれば、奇瑞汽車の行動を非難することは難しいだろう。
いつか中国メーカーも実力を上げてデザイン力を高め、デザイン開発会社とも強い信頼関係を確立し、借り物の価値観に頼らない魅力を持ったクルマづくりができるようになるだろう。