●世界市場で戦う日本発ヒット商品
年度別では05年度から順に6、10、12モデルが投入される計画であり、ゴーン社長が言うように最終年度が手厚くなる。28車種は「日産180」の31車種に比べればやや少ないが、世界の工場での生産立ち上げ件数は、逆に大きく膨らむ。
「バリューアップ」では「事業の地理的拡大」を課題にしており、エジプトなど未進出だった国でも生産を始めるからだ。また、個々の車種についても国内限定販売モデルだった『キューブ』などをグローバル商品に育成する。
このため、期間中の生産立ち上げ件数は延べ70車種と「日産180」の44車種より6割方増える。生産現場でもシビアな挑戦となるのは間違いない。
「バリューアップ」が過去2回の中期計画と異なるのは、ゴーン社長が5月からルノーのCEO(最高経営責任者)も兼務、日産の業務執行は志賀俊之COO(最高執行責任者)に委ねるという新たな経営体制である。CEO兼務により「ルノーとの新たなアライアンスも推進」(ゴーン社長)されることになり、収益力を高めるシナジー効果が期待できる。
また、日本人トップの起用により、社員の士気はより高まるし、少なくとも社内のあらゆる部署でコミュニケーションが円滑になる。「バリューアップ」のコミットメントをたぐり寄せるには、志賀氏のリーダーシップにも大きく依存することになる。
●これだけの不確定要素のなかで発進
●インフィニティ日本導入はいつになる?
●新型28車種、猛スピードで拡大
●世界市場で戦う日本発ヒット商品