走りを訴求した日産のLクラスセダン。プラットフォームは『スカイライン』から始まったFMプラットフォームで、エンジンをエンジンルームの後部に置き、重量配分を改善している。
エンジンは、もちろんVQエンジンの3.5リッターと2.5リッターだ。パワーの出方は、ある程度の音を許容して騒がしく感じるが、その部分を走りのイメージにうまく結びつけている点がこれまでのLクラスセダンの生き方とは違う。
パワー的には3.5リッターは全域で『フーガ』らしい力強い走りが可能だが、2.5リッターは上り坂の追越などでちょっとモノ足りなさを感じる。
スポーツモデルの位置づけとなる“Sパッケージ”は19インチタイヤを装着していて、標準の17インチと乗り心地の面で比べてみると、路面の凹凸を敏感に伝えてくる印象。一見乗り心地は悪く感じるが、不思議と長時間乗車では疲労感は少ない。これは全体のダンピングが勝れているからで、じつに好ましい味付けだ。
ハンドリングはニュートラルから弱いアンダーステアで、ライントレースにも優れている。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★☆
インテリア/居住性:★★★★☆
パワーソース:★★★★☆
フットワーク:★★★★☆
オススメ度:★★★★★
日下部保雄|モータージャーナリスト
1949年東京生まれ。車に囲まれた生活環境だったせいか、ついに仕事になってしまった。走らせるのが好きでモータースポーツからジャーナリズムの世界に入り、日本や世界のレース、ラリーに参加してきた。これからも出場するつもりだ。