【三菱リコール隠し裁判傍聴記】まさかの否認にホントの理由

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■“法解釈”をたしなめる

「リコール隠しはしていません!」と全面否認の被告側。

しかし三菱側は、後日、リコール届けを出しているわけだし、「リコール隠し」は国民的な事実のようなもの。被告人たちは何を拠り所に「リコール隠しはなかった」と主張しているのだろうか。

法廷での被告側の主張はこうだ。当時の技術的知見からすると、点検・整備で充分に安全を確保できるし、当時も点検を続けていた。つまり当時はリコールの必要性がないと考えており、リコール隠しなぞありえないという主張だ。

これだけではない。そもそも起訴事実となった道路運送車両法では、製造又は設計が原因として保安基準に適合しなくなるような場合は、“国土交通大臣”がリコール等の改善措置の報告を求めることになっており、それに対して虚偽の報告(リコール隠し)をしたというのが事件のあらましである。

対して被告側は、確かに国交省リコール対策室の役人とは色々なやりとりがあったのは事実。しかし、国交大臣からは、具体的に報告を求められたことがない。それでは、いつ、どのようなカタチで、誰に対して報告を求めたんですか----という主張である。

報告が求められていないんだから、それに対応する虚偽の報告なんてありえないのだと、そんな反論をしてきたのである。 言ってしまえば法律論勝負である。

これを簡単に整理すると以下のとおり。
「虚偽の報告というが、そもそも報告を求められていない」
「当時はリコールの必要性はないと認識していた」
この2方向から、この公判廷をたたかっていこうという戦術なのだ。

ただこのとき、井上広道裁判官の「被告は『報告の要求』がなかっとの法解釈をしているようですが・・・確かに解釈や主張をするのは自由ですけどね。判例もないことですし、最終的には裁判所が判断することになりますが」と、ともすると被告側の“法解釈”をたしなめるかのような発言が印象的だった。

■傍聴席はプラチナチケット
■「リコール隠しはしていません」
■“法解釈”をたしなめる
■選択肢がない三菱

《小谷洋之》

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