『ティグラ』に搭載されるエンジンは1.4/1.8リッターの直4で、これに5速MTもしくは2ペダルMTである“MTA”が組み合わせられる。ただし今回の試乗車は5速MTのみが用意されていた。
走りの印象は、まず屋根を閉じたままだと静粛性/剛性感が高いのが特徴だ。メタルトップ構造を持つクルマでは、クローズドの際にパネルとの合わせ部分がきしんだりすることもあるが、最後発に属すだけにその辺りには配慮が感じられた。
ティグラのメタルトップはプジョー206CCのそれによく似ているが、それもそのはずでサプライヤーは206CCと同じフランスのウーリエ社製である。ただし、オペルいわく「ルーフに関しては6つの特許を持っていて、4つが開閉機構に関わるもので、ふたつがトランク内の構造に関わるもの」だという。
開閉方法は室内2カ所のロックをはずし、ボタン操作をするだけ。所要時間は18秒とごくごく標準的だ。屋根を開けて走ると、開放感が非常に高く感じられる。というのもクローズド時の静粛性/剛性感の高さがあるから、屋根を開け放つとまさに解放された感があるからだ。
ハンドリングはひとことでいうと「軽快」。追い込んで走るようなキャラではないだけに、その言葉から連想されるライトな感じがうまくマッチしている。かといって頼りないことなく、ワインディングロードやハイウェイなどでは意外なしっかり感/カッチリ感を持つ。
さて気になる日本導入だが、GMジャパンのスタッフいわく「時期的には来春。価格は200万円台の前半から真ん中からくらいかな…。導入モデルは1.4リッターに2ペダルMTを組み合わすモデルが候補として挙がっていますが、1.8リッターのMTもイイですよね」という感じ。
個人的には1.8リッターの元気のよさに引かれる。1.4リッターもじゅうぶんな性能だが、やはりこのクルマの軽快さやキビキビ感は、1.8リッターのほうが引き立つように思えた。