【新聞ウォッチ】河添元社長ら逮捕、「サミット」よりも「三菱」をトップ

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2004年6月11日付

●河添元三菱自動車社長逮捕、クラッチ欠陥、死亡事故、安全対策怠る、宇佐美被告ら5人も。業過致死容疑(読売・1面)

●三菱車、不信底なし、再生計画に打撃、販売不振深刻化の恐れ、出資計画は「予定通り」岡崎社長 (読売・11面)

●「280馬力」規制撤廃へ、自動車工業会、国交省も前向き(産経・8面) 

●中古車販売14%減、5月、三菱車は20.3%下げ(産経・8面)

●エンジン生産、独VW、中国に新工場、大連・上海に、輸出も視野(日経・13面)

ひとくちコメント

三菱自動車のリコール隠し事件が発覚した2000年当時の首脳である河添克彦元社長がついに逮捕された。背広で顔を覆う連行中の姿が見苦しい。実に情けない。容疑は業務上過失致死。今回の逮捕者は6人。中には横浜の母子死傷事故ですでに起訴された三菱ふそうトラック・バスの前会長の宇佐美隆容疑者も含まれている。

脱税や業務上横領などで経営トップが逮捕される事件は後を絶たないが、製造メーカーの首脳陣が本業のモノづくりでの製造責任でまるごと逮捕されるケースは珍しい。きょうの日経を除く全紙が「サミット」の話題よりも優先して1面トップ、社会面、経済面にも安全を忘れた反社会的な行為を繰り広げてきた歴代トップの経営体質を糾弾する記事を大きく取り上げている。

読売と朝日には、逮捕直前の河添容疑者を直撃した一問一答を掲載しているが「クラッチね、知らないよ」(読売)、「隊割りだから上がってくる途中で落ちる報告はわからない」(朝日)などと開き直っているような表現すら感じ取れる。

恐らく、河添容疑者の頭の中には「(歴代社長の中で)何で、私だけが?」と言いたいのだろう。今後の供述如何によっては、さらなる歴代トップの責任追及が行われることも予想されよう。

《福田俊之》

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