室内の空間設計は、まさにホンダ『エリシオン』(13日発表)のハイライト。床面の高さは同クラスのミニバン中最も低い470mm。
開口面積の大きなフロントドア、リアスライドドアとあいまって、乗降性の良さは従来の1.5ボックスミニバンの、手すりにしがみついて乗り降りするというイメージとは一線を画する。サスペンション設計に工夫を凝らしたことで、フロアそのものもほぼ完全にフラット化されている。
室内高は1265mmと、このクラスとしては大きいほうではないが、シートポジションを低め、乗用車的な配置としたことで、ヘッドクリアランスは前席と2列目で1000mmを超え、狭くなりがちな3列目で940mmを確保している。
シート設計も入念。ホンダのシートは現行『アコード』、現行『オデッセイ』あたりから性能が大幅に向上しているが、室内高に余裕のあるエリシオンは、座面のウレタンを厚くできるなど、エルゴノミクス設計はさらに進化。2列目、3列目も運転席と同レベルの快適性が確保されているという。
他社のミニバンと異なり、座面の長さ、シートバックの高さを充分にとっているため、1−3列目はフルフラットにはならない。1、2列目あるいは2、3列目の組み合わせてパーシャルフラットになる。シートアレンジを追求するあまり、シート本来の機能を軽視するのは快適性の追求に反する、というホンダの思想が見える。