今回のイベントが行われる直前、厚生労働省は今年度の「現代の名工」に日産自動車のテストドライバー、加藤博義さん(第一車両開発本部・車両評価実験部 車両運動性能実験グループ)を選出した。加藤さんは栃木工場のテストコースで毎日のようにクルマを走らせ、新型車の評価を行っている。そしてこの「FELL THE SKYLINE DRIVING EXPERIENCE 2003」を企画したスタッフのひとりでもある。
「クーペのように高性能なクルマになってしまうと、公道ではその真価をなかなか発揮できません。限られた数のお客様ではありますが、クローズドなコースで存分に走らせてもらいたいと考え、このイベントを企画しています」と加藤さんは語る。
「もうひとつ、今回は私の後輩のドライバーが参加し、その技術を参加者の皆様に体験していただくというプランも用意しました。私はテストドライバーという立場では初めて現代の名工に選出されましたが、私だけではなく、私を含めたテストドライバー全員で成し得たものだと思っております。だからこそ、テストドライバーとは何たるかを見て欲しくて、同乗体験のプランも用意しました」
そういいながら、スキッドパッド内をタイヤを鳴らして疾走するクーペを見つめる加藤さんの表情はとても穏やかだった。