『タント』を開発するにあたって、ダイハツの開発陣は快適性の確保にきわめて大きな努力を払っている。その努力の最大の賜物はシートだろう。試作シートを装着したモデルで大阪と山口の間を幾度となく走り、シートチューンを行ったという。
シートのフレームは『ムーヴ』のものをベースとしているが、体重や加速G、上下振動などを支えるSバネの配置を一から見直し、より疲れにくい体圧分散を実現した。
軽自動車にとって、シートの開発は厳しいコスト制約との戦いだが、ウレタン硬度をはじめ、各素材を充分に吟味し、フィット感がよく、疲労の少ないシートに仕上げたという。Sバネ構造はフロントだけでなく、リアシートにも適用され、4人乗車でも乗員全員が快適さを享受できる。
サスペンションは防振性を重視したソフトタッチなもの。ターボモデルにはフロントスタビライザーが装備されるが、乗り心地重視の基本は変わらない。