『アテンザ』以降のマツダ車では、モジュラー式のオーディオを採用している。DINの制約から解放されたことでボタン類のサイズを大きくとれ、それによる操作性の向上を果たしたという大きなメリットがある。また、ユーザーの要望によって装着する機器の追加を行った場合にも、センターコンソールの見栄えが変わらないというのも特長だ。
もちろん『アクセラ』でもこの流れを継承。モジュラー式のオーディオを採用している。興味深いのはAM/FMチューナーとスピーカーのみが標準装着され、CDプレーヤーは一部のグレードを除き、ほぼ全てのグレードでディーラーオプションとなっていることだ。発注の際に指定を忘れると「CDプレーヤーが無い!?」と驚くことになるかもしれない。
これについて会場説明員は「カーオーディオに対する好みは人それぞれであり、使わないものが装着されていればユーザーが“もったいない“と思うこともある。そうした事態を避けた」と言う。
CDプレーヤーには、MP3非対応の1枚掛けタイプ、MP3ファイル再生対応の1枚掛けタイプ、6連奏チェンジャー式(MP3非対応)の3種が用意されていて、ユーザーは発注の際にに自分の用途に応じてプレーヤーの種類を決めることが可能だ。さらにはMDやカセットテープなどのプレーヤーも追加できる仕組みになっている。モジュラー式なのでユーザー自身が後付けすることはできず、必ずディーラーを通さなくてはならない。このあたりはDIN方式を採用しなかった弊害ともいえるだろう。
今どきのクルマでCDすら聞けないのもどうかと思うし、他メーカーで行っているように「通常のCD1枚掛けタイプ」を基本設定とし、例えばMP3対応のものに変える際には差額追加とした方がわかりやすいと思うのだが、マツダとしては「必要な機能を足していく」という方式が最良と判断したようだ。
どうしてこんな方法を…という思いが強いものの、その一方で「客との値引き交渉の際、ディーラー側がサービスとして付けやすいのではないか」という深読みができないでもない。CDプレーヤーの価格は2〜4万円程度だし、セールススタッフも「じゃあ、CDはプレーヤーはオマケで」と言いやすいだろう。この点に付いては誰もが明言を避けるので何とも言い難いのだが、案外そのあたりが実情なのかもしれない。