アメリカ自動車販売、今年の勝ち組と負け組

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まもなく9月が終わり、今年の第3四半期の営業成績なども明らかになるのだが、アメリカではすでに「勝ち組」と「負け組」がはっきりと分かれつつある。

業界全体としては、今年の販売台数は9月半ばの時点で昨年よりも30万台減の1140万台。うち、輸入小型車が3万台増で、国産の乗用車、トラック、SUVなどは合計で32万5000台減と、輸入車の比率が伸びていることは明らかだ。

多くのメーカーが販売台数減となっている中で好調さを見せているのは、『ミニ』を含めたBMWで、昨年同期と比べて2万台近く売り上げを伸ばしている。特にミニは倍増の勢いだ。それよりもすごいのがアメリカンホンダで、昨年と比べて実に10万台の売り上げ増、そしてその内容は『エレメント』と『パイロット』という2モデルのミッドサイズSUVの成功。

また現代(ヒュンダイ)グループも全体で1万台売り上げ増、北米日産も1万5000台増で、活躍したのは『350Z』と『ムラノ』。さらにはスバルも1万台増と健闘している。

トヨタは、トヨタブランドでは5万3000台増だが、レクサスなどを含めたメーカー全体では昨年をやや下回っている。それでも『カローラ』は6万台、『4ランナー』は2万台と、モデル別での強さは際立つ。ただし新たに立ち上げた若者向きブランド、サイオンは今日までの合計販売台数がわずかに4800台弱にとどまっている。

こうして見ると、「勝ち組」にビッグ3が入っていない。インセンティブやリベートに明け暮れたにもかかわらず、結果としてはマイナスに陥っている。

フォードはメーカー全体で13万台減、GMも15万台減となっているが、クライスラーはダイムラーの売り上げが伸びたことで台数としては昨年とほぼ同じレベル。

この結果に対し、GMでは特に日本車のシェアが伸びているのは「ドルが実勢に対して高すぎる」ためである、とし、政府に対しかねてから主張の1ドル=100円レベルにするよう要求している。このまま年末まで日本車の強さが続くと、新たな貿易摩擦の火種になるかもしれない。

《Sachiko Hijikata, US editor》

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