『ティアナ』の3.5リットルV6エンジン「NEO VQ35DE」搭載モデルには、新開発された大排気量エンジン用CVT「エクストロニックCVT-M6」が組み合わされる。これまで「2.5リットルエンジンがCVTの限界値」と言われてきたが、それを軽々と乗り越えた。
「ファンドーネ社に特別発注した金属ベルトを使い、システム自体はジヤトコが製造しています」と語るのは、パワートレイン開発本部でAT・CVTの開発を担当している林祐二さん。
「金属コマの幅を30mmに拡大し、マレージング鋼ベルトも12層重ねました。他社のベルトは幅24mmなので、これは大きく異なるポイントです。さらには従来よりも大きなプーリーを使い、高い油圧で押し付けることによって、大排気量のエンジンと組み合わせても耐えられるようになりました。ハイパーCVT-M6と同じくトルコンを組み合わせてあるので、発進時のクリープも使えます」と説明する。
通常のCVTが大排気量エンジンに耐えられないため、『セドリック/グロリア』や『スカイライン』の一部車種ではディスクとパワーローラーにより、動力を伝達する「エクストロイドCVT」(一般的にはトロイダルCVT)を採用してきたという経緯があるが、林さんいわく「トロイダルはFR用なので、FF方式の3.5リットル以上の車種にはエクストロニックが採用されます」とのこと。
現状では北米で販売するSUV『ムラーノ』や、今後導入予定のミニバンなど、いくつかの車種で搭載を検討しているようだ。