
【池原照雄の単眼複眼】米国で抱える「リース残価減」という新たな難題
市場規模の大幅な縮減、ライトトラックから乗用車への需要シフトという激変に見舞われている米国で、新たな難題が浮上してきた。リース販売した車両の残価が、ライトトラック系を中心に下落しており、損失処理額が膨らんできたのだ。

ビッグ3、倒産否定に躍起
株式格付け会社がビッグ3の株式評価を「ジャンクボンド」に下げる、など自動車メーカーの業績に対する不信が広がっているが、クライスラー、GMには「潜在的に倒産の可能性もある」と指摘する経済記事が出始めていることに、両社が反発している。

クライスラーグループ、ミニバンの生産カットへ
ライトトラックの販売不振に悩まされているクライスラーが、セントルイスにあるミニバン工場の休止を発表した。今年10月31日から稼働を停止する予定。さらに同じくセントルイスにあるピックアップトラック工場でもシフトを減らすという。

米新車販売6月、18.3%減の大幅続落
米6月の新車販売は記録的なガソリン高などもあり、さらに悪化。6月の全体の販売数は前年比18.3%減、今年の上半期で前年比10.6%となった。ビッグ3にとって唯一の救いはトヨタの売り上げも落ちたためGMがかろうじてトップメーカーの座を死守したこと。

ビッグ3、相次ぐ値上げ
原油価格や材料費などの高騰により、自動車メーカーは厳しい経営を迫られているが、窮余の策として浮上するのが車両価格の値上げだ。

クライスラー、ヨーロッパでコンパクトモデルを開発
クライスラーは、2006年のジュネーブモーターショーで発表したコンセプトカー、ダッジ『ホーネット』をベースとしたコンパクトモデルを開発中という。車名など詳細は現在のところ明らかにされていないが、2010年にもヨーロッパ、北米で販売が開始される可能性が濃厚。

日米自動車メーカー、生産性の差が縮まる
アメリカのリサーチ会社、ハーバーが発表した自動車メーカーの北米工場生産性比較調査によると、北米でもっとも生産性が高い工場を持つのはクライスラーグループとトヨタ自動車、しかも僅差でクライスラーが1位だという。

米新車販売5月、10.7%減で続落
事前のアナリスト予測で「平均10%台の下落も」と言われていた5月の全米新車販売台数。結果はほぼ予測通りの10.7%減となった。中でもデトロイト3はGMとクライスラーグループで20%以上ダウン、と相変わらずの厳しい状況が続いている。

ダイムラー、クライスラーのデザインセンター購入へ
クライスラーが経営合理化のために売却を発表した、サンディエゴのパシフィカ・アドバンス・デザインセンターを、ダイムラーが購入予定であることが明らかになった。すでに売買の合意に達しているが、最終的な金額などで契約には至っていない。

ガソリン 3年分…クライスラーのインセンティブ
ガソリン高のためトラック、SUVなどのセールス不調が続くクライスラーが、ユニークなインセンティブの開始を発表した。購買後3年間、ユーザーが使うガソリンを1ガロンあたり2ドル99セントに抑える、という内容だ。