中央に通路、それをはさむように左右にスロープ状の展示ブースを展開したポルシェ。地元ドイツのメーカーは、ファンの期待に応えて展示台数も充分。それでも、一般公開がスタートすると、お目当てのクルマのシートにはなかなか座れない人気だった。
これだけ名前が通ってしまうと、エキゾチックカーといえども「手の届く」ようなブース・レイアウトにせざるを得ないのだろう。同じホール5にはポルシェ、ランボルギーニ、マセラティ、ベントレーと高価なクルマたちがそろった。
理由はいくつかあるが、ヨーロッパではコンパクトクラスの競争が激しくなってきている。そこに満を持して投入されたのが『フィエスタ』。派生車予告の『フュージョン』も参考出品されていたが、人出は多かったものの、同時多発テロの影響か盛り上がりはイマイチ。
イタリア自動車産業を牛耳るフィアットもGM傘下になった。実態としてはアルファロメオやランチアを従える大規模メーカーなのだが、コンパクトカーのデザインではつねに世界のリーダー的存在。今回のブースは『スティーロ』がメインで、傘下のフェラーリからF1を借りてきて出品。
およそ世界中の自動車メーカーが一度は仕事を依頼したことがあるだろうカロッツェリアの代表。フランクフルトあるいはパリで、コンスタントにショーモデルを披露している。どこかのメーカーのクルマをつかって新しいデザインをショーで提案するという方法は、この会社だから許される。
いまや韓国自動車業界の希望の星。三菱とともにダイムラー・クライスラー傘下だが、そのクルマづくりは長年にわたって三菱と密接な関係にあった。いまや、押しも押されぬフルラインメーカーである。ヨーロッパのショーでは、毎年必ずショーモデルを披露している。
新型『カムリ』のデザインは、トヨタ社内の世界各地にあるスタジオや契約デザイナーも加わったアイデア競作から始まった。量産デザイン・チームは兄弟車『ウィンダム』のチームと同じ。ほぼ同時に手がけるから差異化することが可能、というわけだ。