「久し振りに、本気でカッコ悪いクルマに出会った」と言うのがエクステリアの第一印象。特にフロント部分はデザイン以前のカタチだ。ボディカラーも原色やツートーン仕様など、もっと遊びのあるものが良い。
全長がわずか3m未満のボディは、四隅にタイヤを配置するショートオーバーハングのレイアウト。そこに15インチの大径タイヤが装着されているとあって、小さなわりに骨太な印象を受ける。
専用チューンされた V8自然吸気エンジンのキレのいいピックアップは素晴らしい。日産『GT-R』のターボエンジンとは、ひと味違うリニアな回転フィールがある。
セダン/スポーツ/スポーツワゴンの3モデルからなるマツダ『アテンザ』だが、どのモデルも素晴らしいデザインだ。マツダのデザイン・テイストにはある種の感動を覚える。
ボディが堅剛で、路面からのショックの入力に対してボディ共振が小さい。つまり、室内が静かで居心地がいい。この出来のよいボディを得たことで、旧型よりもソフトなサスペンションに設定してもタイヤの性能を使い切れる。
とりあえずカテゴリーとしてはSUVに属するが、実質的には少しヘビーデューティ感のある乗用車。室内(とくに後席)が広く居住性が向上しただけでなく、細かい部分まで質感が格段に向上している
『IS』のボディに『GS』や『LS』系のV8エンジンを積んだだけのスーパーセダンではなく、実質的には丸ごと新型といえるほど気合が入っている。新開発のシリンダーヘッドを担当したのがヤマハというのも、マニアの心をくすぐる大きなポイントだ。
ベストパッケージは、3リッターの「ロイヤル」だと感じた。「アスリート」は、かなりサスペンションが締め上げられていて、オヤジが無理して若ぶっているような感じ。
ポルシェ『911ターボ』と比較すると圧倒的にコーナーリングスピードが高い。リヤに重いトランスミッションを配置したトランスアクスルにしたことで、前後のアクティブな荷重バランスが取れていてコーナーへの進入の速度が高いのだ。
最強のライバル三菱『ランエボX』と比較すると、実質的な速さはほとんど互角。しかし、そこに到達するアプローチが正反対なのがおもしろい。