数字だけ見れば、もっと大出力だったり最高速が伸びたりするクルマもあるが、「誰でも、いつでも、どこでも」安心して速く走れるという点では、確実に世界のトップクラスに食い込んでいる。
半世紀を超える歴史を重ねて通算13代目を迎えた『クラウン』。その伝統に忠実に、どこまでユーザーに楽をさせるかを徹底的に追求してある。
ステーションワゴン風味の強いクロスオーバーモデルから、より本格的なSUVデザインへの変貌ぶりに「どうして今さら…」と戸惑ってしまう気持ちが半分。
「スバル車には見えない」ルックスはちょっとばかりの不完全燃焼感がともなうものの、走りの質感の高さは従来型を確実に凌ぐ。
レクサス『LS600h』用がベースの心臓は、より大排気量を採用することもあって同じく8気筒ユニットを積むに至った新型BMW『M3』をも圧倒する迫力をアピール。
見た目の印象は従来の“ゼロ・クラウン”とさほど代り映えしないながら、走りのバランスは大幅に向上。「ロイヤル」と「アスリート」のどのモデルに乗ってもそうした好印象は共通。
日産『GT-R』を迎え撃つレクサス版BMW『M3』。ヤマハが開発した423psの自然吸気5リッターV8は、もちろんパワフル。だが、軸足はやはりレクサスである。
メガヒット作の2代目は、見てのとおり、“正常進化”の熟成型である。主力の1.3リッターモデルで走り出すなり、まず感じたのは、乗り心地のよさである。バネのストローク感が増し、しなやかで、しかもフラットになった。
インテリアはメカニカル一辺倒。質感は高いがアウディ的な大人っぽさ、ポルシェ的なシンプルさはなく、ある種、ガキっぽいといいたくなるほどに丸型メーターを多用。それがある種、戦闘機的な印象をもたらす。
ヨーロッパでは日本の10倍以上、北米でも8倍売れる、まさに「欧米かッ!」のアッパーミドル・マツダ。