“5ナンバー”にはこだわるけれど、その枠の中ではできるだけ室内の広いセダンが欲しい……、そんな日本特有の価値観に応えるパッケージングは、日産『ブルーバード・シルフィ』と同様のもの。
ハッチバックデザインとなり顔つきも「スバル車らしくなくなった」ことで、これまでの“スバリスト”(スバルファン)には大いなる戸惑いを与えそうな新型『インプレッサ』。
「ターボ付きが“ランエボ”を名乗るならば、やっぱりこっちは『ランサー』じゃん!」という思いは、ドアハンドルを引いた際にも募るもの。
『ムラーノ』の弟分的位置付けを狙うクロスオーバーモデルながら、なぜか与えられた“トラック顔”。
後輪にダブルウイッシュボーン式のサスペンションを採用した「SIシャシー」と呼ぶ新しいシャシーによって、優れた操縦安定性を確保しながら乗り心地にも優れたクルマに仕上げている。
トヨタ車も含めて多くの車種がボディをワイド化して3ナンバー車になっていくなかで、あえて5ナンバー枠を守ったクルマ作りをした点は評価できる。
「スポーツ」と「エクシード」を設定しているが、それぞれ18インチと16インチのタイヤを履き、足まわりのチューニングにも違いがあるため、走りのフィールには大きな違いがある。
今や“日本のベストセラーカー”のひとつでもあるだけに、モデルチェンジの内容はなかなか気合いの入ったもの。
SUVというよりはオフローダーと紹介したほうがはるかに“気分”な角張ったスタイリングは、いかにも従来型が築いたイメージの踏襲を感じさせるもの。
ドライバーズシートに腰を降ろした瞬間思わず頬が緩んでしまうのは、前方視界の広がり感がこれまでに1度たりとも経験をしたことのない、まさしく“唯一無二”のものであるがゆえ。