“5ナンバー”にはこだわるけれど、その枠の中ではできるだけ室内の広いセダンが欲しい……、そんな日本特有の価値観に応えるパッケージングは、日産『ブルーバード・シルフィ』と同様のもの。
すなわち、確かに後席足もとやトランクスペースは驚くほどに広いものの、そのプロポーションは妙にヒョロ長く、外観上はお世辞にもスタイリッシュとは思えない……、というのがその特徴か。
「一見豪華で上質に見えるインテリア」も、なるほどターゲットであるシニア層の気持ちを惹きそうな仕上がり。こうして“Old at Heart”(?)な人の期待に素直に応えられるからこそ、トヨタならではの販売力と相まってコンスタントなセールスを維持している!?
裏を返せばこんなクルマ好きの人からは「圏外」なモデルばかりが優れた販売成果を上げるという事柄こそ、今の日本の自動車産業の問題点を象徴しているのかも。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★☆
インテリア/居住性:★★★★☆
パワーソース:★★★☆☆
フットワーク:★★☆☆☆
オススメ度:★★☆☆☆
河村康彦|モータージャーナリスト
1985年よりフリーランス活動を開始。自動車専門誌を中心に健筆を振るっているモータージャーナリスト。愛猫家なのに猫アレルギーが発症し、このところ辛い毎日……