2011年6月に改良されたスバルの新型『レガシィ』シリーズのハイライトはズバリ、高次元でバランスさせた乗り心地と操縦安定性の向上だと思う。
アウディの、いわゆる5ドアハッチバックサルーンは、この『A7スポーツバック』にしても、『A5スポーツバック』にしても、とにかく真横から見たカタチが素晴らしいと思う。そこからちょっとリアに回って眺めた、横9:後1くらいの佇まいにも惚れ惚れする。
『プリウス』は偉大なクルマだけれども、ファミリーカーとして実用的かと問われると完璧とは言えなかった。そこを補い、さらに乗り心地など人に優しい性能も高まっているのが、『プリウスα』だと感じた。
まず感じたのは、これは『フィット』と比較するべきクルマではない、ということ。名前こそフィットの一員のようだけれど、キャラクターはまったく違うクルマに仕上がっている。
旧型の、あの生真面目でちょいとばかり野暮なデザインと荷物を沢山積んだら超安定する乗り味がボクは大好きだったものだから、新型のどこかリンカーンっぽいモダンなスタイルと乗用車的なユニボディ構造への変更に、いささか面食らいつつ、試乗会へと出向いた。
『エクスプローラー』というクルマの出来が悪いわけがない。というのも、こいつはSUVでは全米No.1の人気モデルで、絶好調のときは年間40万台以上売られていた。つまり、フォードのドル箱であり、その出来次第で会社の経営状態が変わるほど大事なモデルなのだ。
「お~っとっと~! ちょっとハイスピードで突っ込みすぎたぁ~! このままだと外へ膨らんじゃうかもぉ~?」なんていうコーナーでも、後ろ足で「ふにゃぁ~っ」と踏ん張ってキレイにコーナーのイン側にへばりついて曲がって行ってくれる。
なんて大人っぽくなったんだろう。先代がまだあどけなさの残る少年だったなら、この新型は社会に出た青年。そのくらい印象のちがうクルマになっている。これなら、50代60代の男性でも、しっくりと似合うのではないだろうか。
魅力の第一は、おしゃれ度の高いエクステリア。精悍でモダーンなデザインでスポーティなイメージに仕上げている。
モーターボートで波を越えるように、不整地のギャップなどをものともせずグイグイ乗り越えていく力強さ。これがフレームシャシーを持つSUVの大きな魅力だった。