雨にも負けず2650人が集結!『XSR』10周年も祝福…「My Yamaha Motorcycle Day 2026」で見えた、ヤマハがリアルイベントに注力する理由

My Yamaha Motorcycle Day 2026
  • My Yamaha Motorcycle Day 2026
  • GKダイナミックスによるXSR 10周年記念展示(My Yamaha Motorcycle Day 2026)
  • GKダイナミックスによるXSR 10周年記念展示(My Yamaha Motorcycle Day 2026)
  • My Yamaha Motorcycle Day 2026
  • ヤマハ発動機販売の松岡大司社長(My Yamaha Motorcycle Day 2026)
  • My Yamaha Motorcycle Day 2026
  • ヤマハ XSR900 GPとXSR900(My Yamaha Motorcycle Day 2026)
  • ヤマハ XSR900 GPとXSR900の開発者によるトークショー(My Yamaha Motorcycle Day 2026)

ヤマハ発動機販売は10月24日、年に一度のファンイベント「My Yamaha Motorcycle Day 2026」を開催した。今年の会場は、琵琶湖にほど近い滋賀県の「三井アウトレットパーク滋賀竜王」。小雨がちらつくあいにくの空模様となったが、バイクでの来場も多く、およそ2650名のファンが訪れ、展示やトークショーを楽しんだ。

【詳細画像72枚】My Yamaha Motorcycle Day 2026

◆年に一度の「My Yamaha Motorcycle Day 2026」

My Yamaha Motorcycle Day 2026My Yamaha Motorcycle Day 2026

ヤマハ発動機の販売会社であるヤマハ発動機販売は、ヤマハバイクのある豊かなバイクライフを提案すべく、全国各地で開催するリアルイベントに注力している。

2026年は、関西初となるナイトイベント「The Dark Side of Japan Night Meeting」や、最新モデルやアクセサリー、アパレルに見て触れることができる「My Yamaha Motorcycle Showcase」を熊本、山形で開催したほか、東京・下北沢でのライフスタイル展示「My Yamaha Motorcycle Exhibition」など、新たなファン獲得に向けたイベントにも積極的だ。

これら一年を通じて開催されたイベントの集大成とも呼べるのが今回の「My Yamaha Motorcycle Day 2026」。最新モデルに見て触れて、跨り試乗もでるタッチ&トライを充実させたほか、開発者によるトークショー、ヤマハバイクに使用されている部品の技術展示のほか、47社もの出展企業による展示・販売ブースも展開され、盛りだくさんのコンテンツに来場者は目を輝かせた。

「YAMAHA MOTOR GENUINE GARAGE」ブースには「ニャイケン」も(My Yamaha Motorcycle Day 2026)「YAMAHA MOTOR GENUINE GARAGE」ブースには「ニャイケン」も(My Yamaha Motorcycle Day 2026)

ブース展示で注目を集めたのは、ヤマハ発動機のプロジェクトとして発足し、絶版部品やアクセサリーの復刻を手がける「YAMAHA MOTOR GENUINE GARAGE」だ。往年の名車『RZ250』の外装パーツを、一から金型を起こし復刻販売したことで話題となった同プロジェクト。会場では復刻パーツ展示のほか、公式サイトでおこなわれた復刻希望アンケートの結果もパネル展示でおこなわれた。

RZ250の外装パーツを発表して以来、外装だけでなくシリンダ、燃料タンク、ピストン、エンブレム、ヘッドライトにゴム部品……などなど、あらゆる部品への復刻要望が続々寄せられているという。車種別では『TZR250』が圧倒的多数とのこと。開発者は、「ヤマハ発動機としてやるからには、当然ビジネスとして成立させる必要があります。車種や部品も多岐にわたりますので、じっくり検討して次の商品化につなげたい」と、今後の展開について話していた。

◆『XSRシリーズ』10周年記念イベントも

GKダイナミックスによるXSR 10周年記念展示(My Yamaha Motorcycle Day 2026)GKダイナミックスによるXSR 10周年記念展示(My Yamaha Motorcycle Day 2026)

そして、今年の「My Yamaha Motorcycle Day 2026」のトピックでもあったのが、ヤマハのネオレトロバイク『XSRシリーズ』の10周年記念だ。

会場では最新ラインアップのタッチ&トライのほか、ヤマハ車のデザインを長年手がけているGKダイナミックスによるカスタム車両の展示、そして初代XSR900開発者や、現行(2代目)XSR900開発者らによるトークショーがおこなわれるなど、XSRづくしのコンテンツが用意された。

XSRシリーズは、2016年に登場した『XSR900』を皮切りに、『XSR700』『XSR125』『XSR155』そして『XSR900 GP』とラインアップを拡大。バイクらしいオーセンティックなスタイリングと、最新技術による走行性能を組み合わせた「スポーツヘリテイジ」として、今やヤマハバイクの代表格と呼べるシリーズに成長した。

ヤマハ XSR900 GPとXSR900(My Yamaha Motorcycle Day 2026)ヤマハ XSR900 GPとXSR900(My Yamaha Motorcycle Day 2026)

年次改良では、バイク好きの心をくすぐるカラーリングを取り入れるなど、常に話題を振り撒くことで新規ファンの獲得にも貢献している。

XSRシリーズの原点でもある初代XSR900にまつわるトークショーでは、開発プロジェクトリーダーをつとめた山本佳明氏、商品企画をつとめた西村慎一郎氏、デザインを手がけたGKダイナミックスの清水芳朗氏が登壇。開発の背景が語られた。

◆「昔のモデルをコピーしているわけではない」XSRの魅力

初代ヤマハ XSR900 開発者によるトークショー(My Yamaha Motorcycle Day 2026)初代ヤマハ XSR900 開発者によるトークショー(My Yamaha Motorcycle Day 2026)

初代XSR900の開発は、リーマンショックの爪痕が残る2010年頃に進められた。それまでスポーツバイクはカッコ良さや、速さといった“尖った性能”が求められていたが、リーマンショックの余波が開発にも影響が出る中「そもそも二輪とは何なのか」を考え直すことから始まったという。

山本氏は、「もっと楽しいよとか、刺激的な部分もあったり、ゆっくり走ったりして楽しむ部分もある。色んな楽しみ方ができるよっていうことを、どうやって新しいオートバイを開発することによってお客さんに伝えようか。そういうことを考えていました」と、開発当時を振り返る。

『MT-09』をベースにクラシカルなデザインを載せるのには苦労したという。MT-09はモタード(オフロードバイクをベースとした車高が高いバイク)の要素を取り入れていたこと、特徴的な「デルタボックスフレーム」を採用していたこともあって、「どうやったってMT-09の特徴が出てきてしまう」(山本氏)。

初代XSR900開発プロジェクトリーダーをつとめた山本佳明氏初代XSR900開発プロジェクトリーダーをつとめた山本佳明氏

そこで隠すのではなく、それ以上に「もっと特徴的で目立つデザイン、目立つ性能、そういうものを追加していこう」(山本氏)と舵を切った。それが特徴的なアルミタンクや、リアフェンダー、サイドにある3つ穴のアルミパネルにつながり、古典的だけど新しい、個性的なデザインを実現したのだ。

またXSRシリーズがヒットした理由に「カスタム性」があると語るのは、GKダイナミックスの清水氏だ。「お客さんが買った後にカスタムしまくって、それを見てかっこいいっていうお客さんがまた増えて。モノを作っているこちらサイドの話だけではなくて、買った後に、皆さんがオリジナリティをどんどん出してまた次を目指すっていう。これが一番素晴らしいナラティブ(物語)な感じがするんです」とし、そのためには「隙があるデザイン」も重要だと語った。

トークの後半では来場者からの質問に答える一幕も。中でも印象的だったのは「他社のネオレトロモデルとXSR900の違いとは」という質問だ。これについては3者が異口同音に「昔のモデルをコピーしているわけではない、新しいバイクであること」と語った。単なる懐古主義ではない、本当の意味でのネオレトロを体現しているからこそ、国内外で新たなファンを惹きつけているのだろう。

◆松岡社長「1000万台市場を掘り起こす」

My Yamaha Motorcycle Day 2026My Yamaha Motorcycle Day 2026

早朝からにわか雨となりつつも、午後には晴れ間も見せ、多くの来場者で賑わった「My Yamaha Motorcycle Day 2026」。主催するヤマハ発動機販売の松岡大司社長は、「ご家族連れも含めて来ていただけたことは、ヤマハとして非常に嬉しい。お客様に私たちが支えられてるんだなというのを改めて感じた」と手応えを語る。

ヤマハ発動機販売は、リアルに触れることができる「体験価値」に重きを置き、多くのイベントを開催している。これからバイクに乗る、あるいはバイクに触れたことがない人たちに向けて“タッチ&フィール”の機会を創出することにも注力する。ただ、こうしたイベントが販売に直結するわけではない。

二輪全体の総需要も落ち込む中で、松岡社長は、「なかなかそこは甘くない。新しい取り組み(イベント)で、とにかくもっとバイクを身近に、楽しく、安全にというところをしっかり啓蒙していく中で、中長期でしっかり販売に結びつけていきたい」とし、「ネガティブなイメージがまだまだ社会にあると思う。もっと身近で、楽しく面白い乗り物なんだということをしっかり訴求していきながら、新車需要でのニューエントリーをしっかり取っていく活動を地道にやっていく」と意気込みを語る。

My Yamaha Motorcycle Day 2026My Yamaha Motorcycle Day 2026

一方で、新車需要は減少しつつも、国内1000万台と言われる保有台数にも目を向ける。「1000万台のマーケットの中で、バイクは持っているけど、しばらく乗っていないというお客さんも結構おられる。そういうお客様を掘り起こす。そして長く乗り続けてもらうというのも、我々だけでなく業界としてやるべきことはまだあると思っている。そういう意味で、リアルなイベントは大事にしていきたい」(松岡社長)と、今後の活動への展望を語った。

バイクの楽しみ方は、決してひとつではない。XSRシリーズがそうした価値観から生まれたように、ヤマハはリアルイベントを通じて、バイクの新たな魅力や楽しみ方を提案し続ける。「My Yamaha Motorcycle Day」は、単なるファン感謝イベントではなく、ヤマハがバイク文化そのものを育てていくための、大切な取り組みなのだ。

ヤマハ発動機販売の松岡大司社長(My Yamaha Motorcycle Day 2026)ヤマハ発動機販売の松岡大司社長(My Yamaha Motorcycle Day 2026)
《宮崎壮人》

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