ルノーは、パリモーターショー2026において、電動ミニバンコンセプト『Eスペース コンセプト』を世界初公開した。
同車は、ルノーが1984年に初代『エスパス』で切り開いたMPVというジャンルを現代的に再解釈したモデルだ。ルノーが掲げる「ヴォワチュール・ア・ヴィーヴル(生活のための車)」という理念のもと、人を中心に設計された感情に訴えるクルマを目指している。
■インテリアから設計を始めた新しいアプローチ
デザインの出発点は車内空間だ。まず居住空間としての室内を設計し、その後に外装パネルをまとわせるという手順を採用した。建築の名作設計と同様に、側面と屋根に大きなガラスを配置して自然光を最大限に取り込む構造となっている。
■スタイリッシュなエクステリア
ルノー Eスペース コンセプトボディサイズは全長4.70m、全幅2.02m、全高1.67m。初代エスパスに近い高さと縦横比を持ちながら、オーバーハングを短くし、23インチホイールをボディ四隅に配置することで現代的な印象を与えている。
フロントには大きな「U」字型のライトシグネチャーを採用し、中央にはピクセルで浮かんでいるように見えるイルミネーテッドロゴを配置。フロントガラスはボンネットの延長線上に位置し、1984年の初代エスパスが持つ「TGV新幹線」のようなプロファイルを現代的に継承している。
バンパー下部のスプリッターは可動式で、高速走行時に路面に近づけることで空力性能を最適化できる。側面下部には、バッテリーや空力部品を収めた黒いスケートボード状の「テクニカルベースプレート」を配置し、F1のサイドポッドを想起させるデザインとなっている。
■バウハウスにインスパイアされた全面ガラスキャビン
ルノー Eスペース コンセプト
キャビンのデザインはバウハウス建築、特にルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエが1951年に設計したファーンズワース邸(米国イリノイ州プラノ)からインスピレーションを得ている。ガラスルーフとサイドウィンドウはウエストラインよりも大きく下方まで延び、ガラスと金属パネルの境界を視覚的に曖昧にする設計が施されている。
センターピラーのないダブルリアヒンジドアを採用し、開放感あふれる室内へのアクセスを実現。完全にフラットなフロアに6つの個別シートを配置している。シートのデザインはフランスのデザイナー、ピエール・ポーランのスタイルを想起させるラッカー仕上げのシェルを採用し、1984年の初代エスパスのシートのように室内に浮かんでいるように見える。
ルノー Eスペース コンセプト2列目の2席は180度回転し、3列目と向かい合う「TGV式対面座席」を形成できる。4人乗り設定では2列目シートを完全に折りたたんで大型テーブルとして使用可能だ。センターコンソールには空気清浄機、小型冷蔵庫、ゲームコントローラー、さらに「コネクト4」などのボードゲームも備わっている。
■フルワイドディスプレイ「OpenR パノラマ」
ルノー Eスペース コンセプトダッシュボードには、キャビン全幅にわたる湾曲型ディスプレイ「OpenR パノラマ」(サイズ:1130×110mm)を搭載する。タッチ非対応のこのスクリーンは、従来のダッシュボードを置き換えるもので、次世代の「ラファール」や「セニック」など、ルノーのエグゼクティブラインナップに順次採用される予定だ。
ステアリングホイールはステアバイワイヤ技術を採用し、機械的な連結がないコンパクトな設計。ダッシュボード下部には従来の自動車的なデザイン要素を排除し、スライド式コンソールとペダルを一体化した湾曲型収納ユニットを配置している。










