旧パチンコ店を改装、newmoが大阪にタクシー営業所開業…AI配車や自動点呼機器を導入

夢洲交通 森ノ宮営業所
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大阪でタクシー事業を展開するnewmoは12月17日、グループ会社・夢洲交通株式会社の新営業所「夢洲交通 森ノ宮営業所」を大阪市城東区に正式開業したと発表した。。

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本営業所は、旧パチンコ店を改装し、タクシー営業所機能と本社機能を併せ持つ「新時代のタクシー営業所」として整備したモデル拠点。点呼などの運行管理や電話でのタクシー配車依頼対応などの現場業務DXから、将来的な自動運転タクシーの社会実装までを一体で見据えた拠点として活用していく。

営業所の設計においてはワンフロアに営業所機能と本社機能をおき、「No Border」をコンセプトに壁がなく風通しの良い環境を実現。一体感を持って事業を推進するカルチャーづくりを進めている。また新しく清潔感のある営業所で、乗務員の採用においても好評だという。

夢洲交通では、newmoグループが開発したタクシーDXプロダクトを業務に活用し、日々の業務における現場負担を軽減するとともに、持続可能なタクシー運行体制の構築を目指す。

業務前の対面点呼と業務後の自動点呼を一台で実現する、国土交通省認定の自動点呼機器を導入。営業所や車庫に設置した共用タブレットで簡単に運用でき、異常がなければ操作のみで点呼が完了する。乗務員・車両などの基幹データと連携し、点呼記録を乗務レポートや業務記録として一元管理することで、紙管理や複数システム併用による非効率を解消。記録精度の向上と事務負荷の削減を同時に実現し、運行管理全体のDXを加速させる。

AI/LLMを活用し、タクシー配車対応を自動化するAI配車エージェントも導入した。電話での配車依頼に対し、AIが自然な対話で一次対応を行い、配車を完了、もしくは必要に応じて人のオペレーターへ引き継ぐ。従来、人手不足により配車依頼の約3割を取りこぼしていた課題に対し、電話対応を改善し、現在は100%の受電体制を実現。2025年8月より本格稼働し、業務負荷軽減と機会損失の削減を両立している。

近年、AIの発展を背景に、米国や中国などにおいて自動運転タクシーの実用化が急速に進んでいる。日本においても、国土交通省が「レベル4」の自動運転が可能なバス・タクシー・トラックを2030年度までに1万台へ拡大する目標を掲げるなど、社会実装に向けた動きが進んでいる。

newmoは、タクシー車両1000台以上を運営する事業基盤を活用し、人口減少社会における新たな移動手段として自動運転タクシーの事業化を目指し、開発を進めている。また2025年9月には堺市と自動運転タクシーの実現に向けた連携協定を締結し、実証を開始した。

森ノ宮営業所では、「タクシー×テクノロジー」の取り組みの一環として、開発中の自動運転タクシー実証車両を展示し、将来の事業化に向けた検証を進めていく。

《森脇稔》

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