名古屋鉄道、名鉄EIエンジニア、トヨタシステムズ、道路新産業開発機構、東邦電機工業の5社は、AI画像解析とETC2.0を活用した踏切の注意喚起システムに関する実証実験を12月22日から実施する。
全国では年間200件程度の踏切事故が発生し、死傷者数も100人を超えている。列車の運休や遅延を伴うため、社会的な影響は大きい。このような状況に対し、交通に関わる事業者が互いに協力し、AI画像解析の活用による事故を未然に防ぐシステムの構築を目指している。
前方道路が混雑しているにも関わらず、踏切内に進入した自動車がそのまま停滞する事象に対応するため、2022年12月に試験車両を用いた実証実験を全国で初めて実施した。今回の実証実験では、一般車両に対して直接注意喚起を行うことで、事故の未然防止を図るシステムの検証を行う。
AIで前方道路の混雑状況を検知し、ETC2.0と連携して一般車両に対して直接注意喚起する取り組みは全国初となる。名古屋鉄道が2021年度より導入を進めている踏切監視システムに、踏切AI画像解析システムとETC2.0技術を組み合わせ、踏切における前方道路の先詰まりの検出および進入前の車両に注意喚起する。
実証実験では、踏切に進入する車両に対してETC2.0車載器から「踏切の先詰まりに注意してください」と音声で発話する。本実験は、前方道路の混雑時に踏切に進入する一般車両に対してETC2.0車載器からの音声による注意喚起を行うことで、不注意による踏切内の自動車の停滞を抑止し、接触事故の発生防止につなげ、踏切の安全性向上を目指す。
試験期間は2025年12月22日から2026年2月28日まで。実施場所は名古屋鉄道住吉町1号踏切(愛知県半田市宮路町、住吉町駅南端)。
各社の役割は、名古屋鉄道が実験場所の提供とシステムの有効性の検証、名鉄EIエンジニアがシステムの全体設計および設置・導入・試験、トヨタシステムズが踏切AI画像解析システムの開発、道路新産業開発機構が民間事業者が利用可能なETC2.0路側機の開発、東邦電機工業が踏切状態監視装置との連携システム開発を担当する。



