英国のAI企業ウェイブ(Wayve)は、自動運転AIの評価と検証を加速する新世代の生成型ワールドモデル「GAIA-3」を発表した。
GAIA-3は150億パラメータを持ち、前世代のGAIA-2の2倍の規模となる。ビデオトークナイザーも2倍の大きさとなり、現実世界の物理法則や因果関係をより忠実に再現できるようになった。
同モデルは複数の大陸、車両タイプ、環境、運転条件にわたる10倍のデータで事前学習されている。より高精細な映像生成が可能で、鮮明なビジュアル、一貫した照明、豊かなテクスチャ表現を実現し、特に道路標識の表現が向上した。
GAIA-3は新しい評価モードを導入している。安全性が重要なシナリオ生成により、オフラインで安全に「もしも」のエッジケースをテストできる。また、異なる車両リグ間での一貫した評価を可能にするエンボディメント転送機能や、変化する条件下でのロバスト性テストのための制御された視覚的多様性機能も備えている。
GAIA-3は視覚合成から自動運転評価へとワールドモデリングを進化させた。構造化された現実的なシーンを生成し、さまざまな条件下でのAI運転行動の定量的評価をサポートする。初期の研究では、GAIA-3のシミュレーションテストが実環境での運転結果と密接に一致し、合成テストの拒否率を5分の1に削減したことが示されている。
ウェイブはウォーリック大学ウォーリック製造グループとも提携し、英国政府が資金提供するプロジェクト「ドライブセーフシム」において、GAIA-3のような生成型ワールドモデルの安全性評価での使用を検証している。



