オンセミ、業界標準T2PAK採用のEliteSiC MOSFET発表…EV・太陽光向け熱管理を革新

EliteSiC MOSFET
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オンセミは12月8日、自動車および産業用アプリケーション向けパワーパッケージングを進化させる業界標準T2PAKトップクールパッケージを採用したEliteSiC MOSFETのリリースを発表した。

この新しいパッケージ技術は、電気自動車、太陽光インフラ、エネルギー貯蔵システムなどの市場における高電力・高電圧アプリケーションに対し、熱性能、信頼性、設計の柔軟性を大幅に向上させる。

最新ポートフォリオである650Vおよび950VのEliteSiC MOSFETのT2PAKパッケージは、同社の業界最先端のシリコンカーバイド技術と、革新的なトップクールパッケージング形式を融合させたものだ。初期製品はすでに主要顧客へ出荷を開始しており、追加の製品出荷は2025年第4四半期以降に予定されている。

太陽光インバーター、EV充電器、産業用電源などのアプリケーションにおける電力要件の増加に伴い、効果的な熱管理はエンジニアリングの重要課題となっている。従来のパッケージでは、設計者は熱効率とスイッチング性能のどちらかを選択せざるを得なかった。

EliteSiC T2PAKソリューションは、プリント基板(PCB)上の熱をシステムの冷却インフラへ効率的に直接伝達することでこの問題に対処し、妥協のない卓越した性能を実現する。これにより、優れた熱効率と動作温度の低減、コンポーネントストレスの軽減によるシステム寿命の延長、高電力密度とコンパクトなシステム設計、システム設計の簡素化による市場投入までの時間短縮が実現される。

T2PAKのトップクールパッケージは、MOSFETとアプリケーションのヒートシンクとの間で直接的な熱結合を可能にすることにより、放熱とスイッチング性能の最適なバランスを提供する。

この設計は、接合部からヒートシンク間の熱抵抗を最小限に抑え、12mΩから60mΩの幅広いRds(on)オプションをサポートし、設計の柔軟性を高める。

PCBの熱的な制約を回避し、熱を直接システムのヒートシンクに集中させることで優れた熱性能を実現。低浮遊インダクタンスの維持し、より高速なスイッチング速度とエネルギー損失の低減を可能に。TO-247とD2PAKの利点を大きな欠点なく両立する。

T2PAKトップクールパッケージにおけるEliteSiCの優れた性能指数(Figure of Merit)により、設計者はよりコンパクトで冷却能力が高く、高効率なシステムを実現できる。

《森脇稔》

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