TBK、インドのブレーキ大手BIPLと資本業務提携…技術力相互補完で次世代製品開発へ

TBKの大型車用ディスクブレーキ(参考)
  • TBKの大型車用ディスクブレーキ(参考)

TBKは、インドのブレーキ大手Brakes India Private Limited(BIPL)との間で資本業務提携契約を締結し、BIPLを割当予定先とする第三者割当による新株式の発行を行うと発表した。

これに伴い、主要株主及び主要株主である筆頭株主の異動が見込まれる。

TBKグループは「お客様に喜んでいただく商品をつくり、社会に貢献する」を経営の基本理念として掲げ、主に小型から大型のトラックやバス等向けの自動車部品の開発、生産、販売を行っている。

同社は2022年にスタートした第15次中期経営計画において「VISION 2030」を定め、2030年に目指す姿として「時代の変化に合った価値をスピーディーに創造する企業」を目標に活動している。今年度からは第16次中期経営計画を策定し、「コア技術・コア製品の強化」を通じて収益力の強化を図るとともに、鋳物事業の最適化と強化等の「事業基盤の変革」や、「新領域への挑戦」として、電動化や自動化に対応する製品を提供するシステムサプライヤーへの変貌を遂げるべく取り組みを進めている。

一方で、脱炭素化の流れの中で今後成長が見込まれる電動化や、深刻化するドライバー不足や輸送効率の向上を目的とした自動化等の次世代技術開発においては、国内外の新興企業の登場などにより、競争の激化が見込まれている。

こうした状況の中で、優位性のある製品を開発し、顧客に満足いただける製品の提供が不可欠となるが、そのためには同社単独で進めるのではなく、「グローバルアライアンスの強化」により、技術力を相互に補完し、スピーディーな開発が可能となるパートナーとの協働が得策と判断している。

このような状況の中で、同社も様々な可能性を検討する中で、同社の技術提携契約先のインド上場会社を通じて、2024年4月頃BIPLより同社に対してコンタクトがあり、以後様々な分野での協業可能性を視野に入れ、協業に関する協議・検討を進めてきた。

BIPLとの度重なる面談、協議を通じて、最終的に両社はシナジー効果が見込まれると判断し、今回BIPLとの間で資本業務提携を締結するに至った。

今回のBIPLとの資本業務提携を通して、変化する時代の中で、同社グループの企業価値をさらに高めていくことができると考えている。

BIPLは、自動車用ブレーキ及びブレーキ部品の開発・製造・販売を行うインド大手のブレーキ会社。BIPLは、中・大型商用車向けのみならず、乗用車や小型商用車向けにブレーキを製造している。またBIPLは、鋳物部品の製造にも力を入れており、グローバルで年間20万トンの生産能力を保有している。

こうしたBIPLのビジネスモデルは同社グループとも親和性が高く、双方の技術力を活用することで、変革期にある自動車部品業界において、より付加価値の高い製品を顧客へ提供することができると判断し、今回資本業務提携することとした。

本資本業務提携における業務提携は、主として以下に規定する事項について協業・連携等を行うことを内容とする。

購買協働では、TBKはBIPLと協働し、競争力を持つサプライヤーの発掘に努める。製造協働では、TBKが完成品、半完成品、部品のBIPLへの製造委託を行い、BIPLは、自社又は関係会社でのTBK製品の製造活動をサポートする。

技術ライセンス供与の面では、TBKはBIPLに対し、製品の図面、実験情報等を共有し、BIPLは製造活動を行う。製品の相互販売では、両社は、相互に自社の製品をそれぞれが持つマーケットで販売することで、製品群の多角化を図る。

開発協働では、製品開発における解析、検証等において支援を要する分野を相互に特定し、必要な設計、検証等の支援を相手方に対して行い開発工程の加速化を図っていく。

《森脇稔》

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