英EDFがAI技術でEV充電を最適化、年間数万円の電気代を削減…Krakenと連携

EDFがKrakenとの新たなパートナーシップを通じ、家庭のエネルギーをより賢く柔軟に利用する取り組みを開始
  • EDFがKrakenとの新たなパートナーシップを通じ、家庭のエネルギーをより賢く柔軟に利用する取り組みを開始

英国の大手エネルギー事業者EDFは、Krakenとの新たなパートナーシップを通じ、家庭のエネルギーをより賢く柔軟に利用する取り組みを開始した。

この取り組みにより、英国の家庭は年間で約数百ポンド(約数万円)の電気料金削減が見込まれている。

KrakenのAI搭載型オペレーティングシステムを活用することで、EDFは電気自動車(EV)、蓄電池、ヒートポンプ、ソーラーパネルなどの家庭用デバイスを自動的に制御。電力が最も安価でクリーンな時間帯に稼働を切り替えることで、コスト削減と脱炭素化の両立を実現する。

すでに約1000台の機器が接続され、合計7MWの柔軟な電力容量を確保。これはおよそ1万世帯分の電力供給に相当し、今後も段階的に拡大が予定されている。

今回の協業により、EDFはKrakenの柔軟性プラットフォームを通じて、既存の顧客対応や発電・蓄電ポートフォリオ管理に加え、家庭内エネルギー資産の柔軟な制御と最適化も実現する。

特にEVユーザーにとっては、標準的な家庭充電と比較して年間で約数百ポンドの節約が可能となり、同時にグリッドの安定化にも寄与する。

Krakenのプラットフォームは、すでに2GW(200万kW)を超える分散型エネルギー資源を管理しており、世界最大級の「バーチャルパワープラント(仮想発電所)」を構築。これにより、電力システム全体の効率化と脱炭素化を推進している。

EDFは2020年に顧客システムをKrakenに移行し、2年で1700万件以上のデータを17の旧システムから統合した。その後、顧客満足度と従業員エンゲージメントは大幅に向上し、Trustpilot評価は4.8を記録している。

現在、Krakenは世界70社以上のエネルギー企業に採用され、7000万件を超える顧客アカウントを管理。両社はまた、スマートエネルギーの国際標準化を目指す「Mercury Consortium」の創設メンバーとしても活動している。

《森脇稔》

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