韓国のLGイノテックは11月11日、新たに開発した車載用「超スリム・ピクセルライティング・モジュール」が「CES2026」においてイノベーション・アワードを受賞したと発表した。
LGイノテックは車載用ライティング・ソリューションで、CESのイノベーション・アワードを2年連続で受賞する快挙を挙げ、車載用照明技術が世界最高レベルであることを改めて立証した。同社はCES2025において、業界として初めてヘッドライトに面光源技術を採用した「ネクスライドA+」でイノベーション・アワードを受賞していた。
今回CES2026で初めて公開する「超スリム・ピクセルライティング・モジュール」の特徴は、幅、サイズ、重量のすべてを画期的に縮減させたことである。
従来の車載用照明モジュールは、LEDにプラスチックのレンズまたは反射用光学部品が内蔵された構造で、モジュールの重量・サイズともに大きくなるしかなかった。こうしたデメリットの克服に向け、LGイノテックは業界として初めて白色のシリコン素材を活用した反射用光学部品を独自開発した。
光を反射する白色の特性を最大限に生かした構造に設計され、この部品だけでも均一な明るさの光を実現することができる。プラスチックレンズや光を反射させるための別の部品は搭載する必要がなくなった。
この部品が適用された「超スリム・ピクセルライティング・モジュール」は幅が3mmで、従来の製品より71%薄く、その分だけ重量も大きく減少した。それでも光効率は従来のものより30%高い。
このモジュールは薄くて柔らかいシリコン材質でできており、折り曲げることもできる。それにより、曲線といった様々な形態の車載用照明のデザインだけでなく、ヘッドグリルやバンパーといった技術的特性により装着が難しい部分への照明の取り付けも可能にした。
さらに、このモジュールは、ピクセルのサイズが従来の4分の1程度である。ピクセルが緻密で多くなるほど車載用照明の解像度が高まり、視認性は向上する。
また、このモジュールは、車載用照明のV2X(Vehicle to Everything・クルマとあらゆるモノを繋げる無線通信技術)のコミュニケーション機能をいっそう高度化させた。車載用照明によって基本的なテキストからイメージまで高画質で送出することができるだけでなく、アニメーション効果もサポートする。
例えば、緊急事態が発生した場合に車両内部の状況をレタリング機能によって外部に知らせたり、自ら作成した絵文字を表示して運転手の個性を表現したりすることができる。
LGイノテックは、2027年下半期を目途に「超スリム・ピクセルライティング・モジュール」の量産を目指し、グローバル企業向けにアプローチを活発に行っている。
LGイノテックは2026年1月に開催されるCES2026において、「超スリム・ピクセルライティング・モジュール」をはじめとする次世代の車載用照明モジュールと、AD/ADAS向けの最新センシング・通信部品を一挙に公開する計画である。



