10kgの軽量化で走りが変わる! ドライバッテリーが“最強コスパ”と言われる理由~カスタムHOW TO~

10kgの軽量化で走りが変わる! ドライバッテリーが“最強コスパ”と言われる理由~カスタムHOW TO~
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クルマに欠かせないバッテリー。純正品や同等品を使い続ける手もあるが、ここにもチューニングパーツが存在する。バッテリーの性能を強化することで走りが良くなるし、軽量にすることで運動性能自体を高めることもできる。バッテリーも立派なチューニングパーツなのである。

◆バッテリーとオルタネーターの役割を理解する

バッテリーは電気を蓄えている。クルマでは走るためにスパークプラグから火花を飛ばすのに電気が必要。それだけではなく、エンジンを制御するコンピュータであるECUも電気で動くし、メーターやカーナビももちろん電気で動いている。そもそもエンジンをかけるセルモーターも電気で動いている。そして、そこで使われる電気を作っているのは、バッテリーではなくオルタネーター(発電機)である。

◆大容量化の前に“発電量と消費量”のバランスをチェック

近年のチューニングで多いのが「カーナビやウーハーなど電気をたくさん使う電装品を装着した結果、頻繁にバッテリーが上がるようになってしまった。そこで大容量バッテリーに交換したい」という要望だ。しかし、これはNG。そもそも発電量に対して消費量が大きくなってしまっていてバッテリーに電気が蓄まらなくなってしまっているので、バッテリーを大きくしても結果は変わらない。そういった場合はオルタネーターを大容量のものにするなどして、発電量を増やさなくてはならない。

では、バッテリーを大容量にすることに意味がないかというとそういうわけでもない。ほとんどのクルマがそうだし、よほど電装品を増やさなければ問題ないが、発電量と消費量のバランスが取れているクルマの場合、バッテリーが大きくなればたくさん電気を蓄えておけるので、それだけ電圧も安定する。

そういった理由からある程度バッテリーの容量を大きなものにするチューンはあり。加速時などの電気を瞬発的に使うときに、電圧が低下しにくく、加速力にパンチが出ると言われている。このあたりはシャーシダイナモなどでも計測しにくい部分。シャーシダイナモではアクセル全開時のパワーとトルクを計測できるが、踏み始めの反応などは数値にできない部分なので、体感による印象になってしまうが、多くの人が体感できる。

◆品番の読み方と“堅実な”容量アップのコツ

40B24Lというバッテリーを使っていた場合、この「40」がバッテリーの容量を示す。「B24」は形状で、「L」は端子の位置を示すもので、「L」と「R」がある。バッテリー容量をアップさせるなら46B24Lなど、最初の数字が大きいものにすれば、たくさん電気を蓄えられるようになり、加速時のパンチが出やすくなったり、そもそもバッテリーが上がりにくくなる。

そして、レースの世界やチューニングカーで古くから好まれているのがドライバッテリー。通常の鉛バッテリーはバッテリー液に鉛の板が浸っていて、それが重い。ドライバッテリーは乾燥しているわけではないが、ゲル状の液体を使ったりして軽く仕上げている。また、倒したり向きを問わずに使えるメリットもある。

重量としてはトヨタ『86』/スバル『BRZ』クラスのものと比較したところ、純正バッテリーが15kgに対して、ドライバッテリーは約5kg。元のバッテリーサイズにもよるが、概ね10kgくらいの軽量化は可能だ。価格は約5万~10万円で、純正バッテリーに比べて2~3倍のコストがかかるが、10kgの軽量化ができると、そのコスパは良い。

カーボンボンネットに交換すると、日産『シルビア』クラスの車格で約10kgの軽量化ができるが、コストも同程度だ。しかし、86/BRZのようなアルミボンネットのクルマでは、数kgしか軽くならない。スズキ『スイフトスポーツ』のようなボンネットの小さな車種では、鉄製ボンネットからカーボンボンネットに換えても、数kgしか軽くならないのだ。そういった意味では、軽量化パーツとしてドライバッテリーは非常に優秀である。また、そういった意味でのバッテリーチューンを行うという手もある。

《加茂新》

加茂新

加茂新|チューニングカーライター チューニング雑誌を編集長含め丸15年製作して独立。その間、乗り継いたチューニングカーは、AE86(現在所有)/180SX/S15/SCP10/86前期/86後期/GR86(現在所有)/ZC33S(現在所有)。自分のカラダやフィーリング、使う用途に合わせてチューニングすることで、もっと乗りやすく楽しくなるカーライフの世界を紹介。

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