ヴァレオと市光工業は、10月30日から11月9日まで東京ビッグサイトで開催されるJapan Mobility Show 2025に共同出展する。
両社は5点の日本初公開技術をはじめ、ソフトウェアやAIを活用したソリューション、スマートな電動化テクノロジー、自動運転時代に対応する画期的なライティング技術を展示する。
ヴァレオは「ヴァレオ・レーサー」「ヴァレオ・アシストXR」「ヴァレオ・ステアUX」「48Vパワートレイン新型eAccess」「48V インバーター一体型 スモールモビリティ モータージェネレーター」の5点を日本初公開する。これらはソフトウェア・ディファインド・ビークル(SDV)への進化を見据え、車載センサーとAIを駆使した新たな車内デジタル体験やリモートアシスト、ヒューマン・マシン・インターフェースを具現化している。
特に「ヴァレオ・レーサー」は、ADASセンサーとAI知覚アルゴリズムを組み合わせ、実際の走行環境をゲームの舞台とし、クラウド対応のマルチプレイヤーモードで車に乗っていない友人のリモート参加も可能だ。2026年第1四半期に搭載車の発売を予定している。
またAI活用にはAmazon Web Services(AWS)が用いられ、ユーザーフレンドリーなインターフェースでオペレーターのデータアクセスを支援する。自動運転時には仮想キーボードでメール操作やゲームもでき、飲酒運転防止機能も搭載している。
電動化分野では、48Vパワートレインの新型eAccessを日本初公開する。これは3輪・4輪小型電動車向けのコンパクトでアフォーダブルな一体型ユニットで、最大100kmの航続距離や最高速度95km/hを実現する。2027年には2輪向けの48Vインバーター一体型モータージェネレーター(iSMMG)の量産を計画している。
市光工業は自動運転時代に対応する安全性向上とコミュニケーション円滑化を可能にするライティングソリューションを出展する。高解像度ロービーム照射によるレーンガイドやナビゲーション表示の路面投射が可能で、将来は交通利用者への自動運転コミュニケーションにも使える見込みだ。
さらに同社は4R(リサイクル、修理、強化、再製造)の方針に基づき、バイオ由来材やリサイクル材を用いた自動車用ランプ部品を開発している。展示では市光工業のライティング技術の歴史を象徴する製品も紹介し、自動車用照明のパイオニアとしての存在感を示す。
両社の展示ブースは東ホール6のE6001。10月30日にはヴァレオジャパン代表取締役社長アレクサンドル・ギアー氏と市光工業副社長CTO宮下和之氏による記者会見が行われる。
ヴァレオは215億ユーロの売上を持ち、28カ国で1万9600人の従業員を擁するグローバル企業。市光工業は1903年創業の自動車用ランプ部品メーカーで、2017年からヴァレオの子会社として電動化や自動運転対応製品の開発を進めている。両社は技術革新でより安全でスマートかつサステナブルなモビリティの未来を目指す。