サウンドカーが頂点を競う! 「第10回ハイエンドカーオーディオコンテスト」リポート

サウンドカーが頂点を競う! 「第10回ハイエンドカーオーディオコンテスト」リポート
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  • ホンダ・シビックe:HEV(オーナー/紙谷友樹さん)by AVカンサイ
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  • ホンダ・シビックe:HEV(オーナー/紙谷友樹さん)by AVカンサイ
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全国で行われているカーオーディオのコンペティションの中で最も著名な大会の一つが、この「ハイエンドカーオーディオコンテスト」。

【画像全86枚】

第10回は石川県こまつドームで開催された。初日9月6日は、ディーラーデモカークラスとチャレンジクラス、そして新たにディーラーデモカー部門にパイオニアTS-Z1GRクラスを設け、3部門のコンテストが行われた。

2日目の7日はユーザーカー部門のみのスケジュールとなっていてハイレゾ・エキスパートAクラス(システム総額300万円以上)、ハイレゾ・エキスパートBクラス(システム総額210万円~300万円未満)、ハイレゾ・エキスパートCクラス(システム総額210万円未満)の3クラスを用意している。いずれもハイレゾリューション(ハイレゾ)での音源を使っての審査となる。

今回は「PUSH ON! マイカーライフ」登録店の中からユーザーカー16台をピックアップしてみた。クルマとシステム、音創りのポイントなど、プロショップが丹精込めて作った個々のシステムをぜひ参考にしてほしい。

◆ホンダ・シビック e:HEV(オーナー:紙谷友樹さん)by AVカンサイ

「クルマとオーディオ好きのお父さんの影響とショップの勧めもあってカーオーディオ楽しさを知りました」と語る紙谷友樹さん。ハイエンド構成の素敵なシステムを積んで同コンペに出場となった。

スピーカーはブラム・シグネチュア マルチマックスバレルシリーズをチョイス。話題のエアーモーショントランスファー AMT-1ツイーターをセット。パワーアンプはクワトロリゴのニューモデル、ファンタジア1.4と、DLS・CCi44を搭載。一方、再生プレーヤーはフィーオ・M17でリゾルト・H-DSPとの組み合わせだ。

ブラムならではの清涼感のある音色、音離れのよさも特徴的で課題曲ウィリアムス浩子「Rainy Days and Mondays」音源を繊細かつ明瞭に再現。交響曲『運命』第4楽章では勢いよくダイナミックに展開する。DSP個々の機能を活用してベストポジションを見出した証といえるだろう。

◆アウディA4アバント(オーナー:吉田慎一さん)by カーオーディオクラブ

昨年末、プジョー『308CC』からアウディ『A4アバント』に乗り換えた吉田さん。全国のサウンドコンペに積極的に出向く常連メンバーだ。前車からのコンポーネントは移設され、3ウェイ+サブウーファー構成に変わりない。

長年ブラックスを愛好されていてMATRIX ML-1(ツィーター)、ML-3(ミッドレンジ)、6.2(ミッドバス)を搭載。サブウーファーはパイオニア・TS-W1000RSで、パワーアンプはモスコニ・ZERO 4を2基使いにより各ユニットをしっかりとドライブ。

同コンペの音の狙い/コンセプトは、課題音源のウィリアムス浩子『Rainy Days and Mondays』ではボーカル、ピアノ、ベース、ドラムス、それぞれの質感をナチュラルに、もう一つの課題音源『運命』(交響曲第5番)では力強く躍動感ある演奏の再現性に心がけ、前方左右のステージ上に奏者を配置するようにレイアウト。調整力により明瞭度の高いサウンドを得ている。

◆メルセデスAMG A35(オーナー:藤原秀明さん)by レジェーラ

全国で開催されるコンテストに積極的に参加。音創りに余念がない藤原さんは静岡から来場されており、2台の車を所有している。メルセデスAMG『A35』はシンプルなシステム構成で車内の質感を重視し、かつ機能性を損なわない取り付けが施されている。

スピーカーはサウンドサスペンションが販売するジャパンブランド「DEER・RJ2」3ウェイパッケージを搭載。サブウーファーは同ブランドのRJ250をセット。再生DAPはアイバッソ・DX340とアウネ・GTS1PROを併用。後者は使い勝手がよく普段はこちらがメインとなっているようだ。DSPはアンプ内蔵型のHELIX P-SIXを装着。この1台でフロント3ウェイをしっかりと鳴らしきる。

爆音で聴きたいというコンセプトを打ち出しており、ボリュームを上げたくなる音作りを目指す。センター定位。抑揚感が全面に出ることを意識しつつも音が破綻しないよう綿密に調整を行う。

◆トヨタ・プリウス(オーナー:谷口大雅さん)by ジパング

去る6月、同地で開催されたヨーロピアンのイベントに続いて今回のハイエンドコンテストに参加された谷口さん。トヨタ『プリウス』はハイクオリティとステージの双方に特化したシステムを構築。

まず再生プレーヤーは話題のアウネ・GTS-1をメインに使用。リゾルト・T-DSP MK2との組み合わせによりハイレゾ音源を十分なクオリティで再生でき、かつDAPより操作性がよいところも大きな魅力となっている。スピーカーはBLAM・シグネチュア・マルティックス・バレルをセレクト。ATM-1(ツィーター)、MB3(ミッド)、MB6D(ミッドバス)という構成でラゲッジにフロアにセットされたクワトロリゴの新機種ファンタジア1.4と1.2(3基)で各ユニットをしっかりと再生。

課題曲のウィリアムス浩子ではボーカルの表情が明瞭に届けられるよう調整を行う。またトリオの掛け合い、楽器の質感、距離感にも注意を払う。

◆トヨタ・オーリス(オーナー:花村将光さん)by アンティフォン

石川県下、金沢アンティフォン代表 松居さんの勧めもあって同イベントに出場、トヨタ『オーリス』のオーナー花村さんの搭載システム中、とくに気に入りで使っているのがダイヤトーンのスピーカー。DS-SA1ツィーターとDS-SA1000のミッドバスを組み合わせる。

サブウーファーはSW-G50を一発搭載。太く引き締まったベース音に厚みがあり、また立ち上がりが良いという。パワーアンプはブラックス・NOX4とザプコ・Z-150.6APを使用。再生プレーヤーはソニーウォークマン・NW-WM1Z2。DSPは miniDSP C-DSP/8-12 DLをチョイス。

課題曲のウィリアムス浩子では、ボーカルとベースの位置関係を正確に出せるようにし、またボーカルと個々の楽器の質感(音質)にも気を配る。ネッロ・サンティは、クラシック演奏ならではのスケール感や音場感に加え、力強さも表現できるよう調整を行う。

◆日産ジューク(オーナー:村重正博さん)by M.E.I.

日産の旧型『ジューク』から「ジュークNISMO」に乗り換えを機に、高みを目指してシステムを刷新。カーオーディオは自作から始めたという村重さん。スピーカーはESB AUDIO・8000シリーズをチョイス8.028(ツイーター)、8.075(ミッドレンジ)、8.165(ミッドバス)、そしてサブウーファーはダイヤトーン・SW-G50を1発搭載。

フロント3ウェイを鳴らすパワーアンプはSOUND SUSPENSION・MARON 120.2AB T-tuning。各ユニットをしっかりとドライブ。一方、再生プレーヤーは、アウネ GTS-1でGTC1(クロックジェネレーター)と連結、リゾルト・T-DSP MK2との組み合わせによりハイレゾ音源を歪みなく明瞭に放つ。

ワイドレンジ、ダイナミックレンジともに十分余裕があり、音場定位に優れたステージをダッシュ前方に展開。普段よく聴くジャンルは女性ボーカルとアニソンが多いそうだ。

◆アウディA5アバント(オーナー:紙谷祐亘さん)by AVカンサイ

ハイクオリティサウンドを高みへと昇華。コンペ常連メンバーである紙谷祐亘さん。愛車アウディ『A5アバント』は厳選のコンポーネントと積んで参戦した。

スピーカーとパワーアンプはクワトロリゴでまとめ、OPUSツイーター(28mmシルクドーム)、OPUSミッド(89mmペーパーコーン)、OPUSミッドバス(165mmペーパーコーン)という組み合わせでファンタジア1.4と2.2/両機はメインユニットの再生用で、奥にセットされたエストリモ(初公開)はサテライトCDT unit7.5Fスピーカー用という。

再生プレーヤーはアイバッソ・DAP300APEX。DSPはリゾルト・M-DSPを搭載。音像定位の場所はダッシュボード上センターに設定する。課題曲(音作りの狙い)シンフォニー運命では魂の解放をダイナミックに描くよう注力。ステージの幅、ステレオイメージ、S/N向上、バランスと基本を忠実に再現できるよう調整を徹底した。

◆トヨタ・クラウンエステート(オーナー:宮本弘康さん)by サウンドウェーブ

トヨタ『クラウンエステート』のオーナー宮本さんは豪奢なシステムを披露してくれた。拝見するとハイエンドに相応しいコンポーネントの数々で目を見張る。

広いラゲッジを有効活用しオーディオウェーブ・Aspire Pro V2を4基搭載ほか、オーディオソリューション・Studio V6 MKll(真空管プリ)と連結。スピーカーはZRスピーカーラボ・Extravaganceでまとめている。SATURN(ツィーター)、F-1(ミッド)、N1(ミッドバス)、DREAM-1(サブウーファー)と受注生産品が肩を並べる。DAPは超弩級のウォークマンDMP-Z1を搭載。DSPはエタニ・ETN-1を使用。

課題曲ウィリアムス浩子では本家よりもゆったりと暖かくやさしい雰囲気に。心地よく聴けるようボーカルは柔らかく大きめに。ベースとピアノも暖かい響きで全体を包むようなイメージで調和をとって全体を整えている。

◆アウディA4アバント(オーナー:西岡賢志さん)by パラダ

精悍さとスマートさを兼ね備えたアウディ『A4アバント』にお乗りの西岡さんは福井から来場。ハイレゾエキスパートにエントリー。春、神戸で開催されたNew Style Meetingに参加と積極的にコンペに出向いている。システムは音創りだけでなく、見栄えにも気を配り素敵なカスタム仕様となっている。

まずスピーカーとパワーアンプはブラックス・ML1(ツィーター)、ML2(ミッド)、ML6P(ミッドバス)、サブウーファーはML10(25cm)を一発搭載。パワーアンプはスリムなプレートタイプの名機、GX2400を2基使いで3ウェイ+サブウーファーをしっかりと駆動。音像定位の場所はメーターフード左側をセンターに左右に広がるように設定。

課題曲ウィリアムス浩子での調整ポイントは、大人の色気を感じさせるよう心がける。バックバンド奏者の楽器リアリティを引き出す。

◆三菱アウトランダー(オーナー:橋本季幸さん)by マリノサウンド

橋本さんの三菱『アウトランダー』は走りとハイファイの双方を楽しめるクルマ。カーオーディオを本格的に始めて5年だそうでコツコツとグレードアップを行い今のハイエンドシステムが出来上がる。

スピーカーはモレルでまとめ、スプリーモ・ピッコロ2(ツイーター)、イレイトカーボンMM3(ミッド)、MW6(ミッドバス)、サブウーファーはウルティモTi10を搭載。これらのユニットをしっかりと鳴らすために、アークオーディオ・4100 Advanceを2基使い、フロント3ウェイとサブウーファーを精緻にドライブする。一方、再生プレーヤーはフィーオ・M17でリゾルト・T-DSP MK2と組み合わせによりハイレゾ音源を余すことなくシャープに解き放つ。

お気に入りのところは前方定位による音場創出と厚みのある低音域の鳴りっぷりの良さ。調整力により、モレルの繊細な表現力をスポイルすることなく遺憾なく発揮している。

◆アウディA7(オーナー:重田一樹さん)by アミューズ

長年カーオーディオを愛好する重田さんは、アウディ『A7』を購入を機にシステムをグレードアップ。ハイエンドカーオーディオコンテストにふさわしいシステムを披露してくれた。

まず目に止まったのがグラウンドゼロのスピーカー群。GZ・ULTRAのラインアップ構成で、T30(ツィーター)、M-80(ミッドレンジ)ダブルで装着、K-165(ミッドバス)、サブウーファーはGZ・Reference 250を一発搭載。これらのユニットをブラックス・MX-4 PROとヘリックス・C-ONEでドライブ。再生プレーヤーはソニー・NW-WM1ZMll(ウォークマン)。DSPはブラックスを搭載。

課題曲ウィリアムス浩子での調整ポイントは、ベース音をしっかりと出しつつ、音程が曖昧にならないようにリアリティを引き出す調整を行う。またボーカルの定位/位置関係と質感表現に注力。

◆トヨタ『カローラスポーツ』(オーナー:大西宏昌さん)by ウェイブトゥポート

過去、数々のコンテストに出場、優勝、上位入賞を獲得。音創りに余念がない大西さんは愛車のトヨタ『カローラスポーツ』のフロントスピーカーを換装し今回のイベントに参戦。

6月のヨーロピアンでは、ESBの上級機 8.028S(ツイーター)、8.075(ミッドレンジ)構成であったがパイオニアから新しく発売されたTS-HX1GR(7.3cm/2ウェイハイレンジ)に触手を伸ばす。個々のユニットのポテンシャルを十分に引き出すためパワーアンプを厳選。クワトロリゴの限定モデル INGOT 3ほか、ヘリテージ、プレシジョン/ONE、TWOと同一ブランドで纏めている。

音の印象を尋ねると同軸「CSTドライバー」の特長が発揮されていてツィーターとミッドレンジのタイムアライメントと音の繋がりが良好となり、ボーカル帯域のリアリティが向上。また艶やかな音色の表現力、ピアニシモの余韻も繊細に放つ。

◆BMW 4シリーズ・グランクーペ(オーナー:堀井孝佑さん)by イースト

「以前はシビックでカーオーディオを楽しんでいました」と語ってくれた堀井さんはラグジュアリーなBMW『4シリーズ・グランクーペ』を購入。広い車内、静粛性の良さとご満悦に様子だ。

システムは3ウェイ+サブウーファー構成のシンプルなものでスピーカーはオーディソン・AV1.1/2、AV3.0/2、AV6.5P/2、サブウーファーはキッカーのBOXタイプL7TDF10をラゲッジスペースにセット。一方、再生プレーヤーはADONN・DSD-Z10(DSPコントローラー)とZ1000DSP(8chパワー内蔵10chDSP)を使用。サブウーファー用のアンプ(MATCH/UP1FX)を含め、合計金額は55万円と比較的リーズナブルでハイクオリティなサウンドが楽しめる。

音創りのコンセプトは一音一音、粒立ちよく厚みを出すこと。ボーカル、個々の楽器の質感、奏者の表現力を引き出すよう細やかな調整を施した。

◆アウディA4(オーナー:木村宏亮さん)by イングラフ

青森から来場。ハイレゾエキスパート・クラスにエントリーされた木村さん。6月、同地で開催されたヨーロピアンコンテストに参加するなどコンペを通して音創りに余念がない。

システムはハイエンドの最先端というべき構成でスピーカーはモレルで統一。スプリーモ602(ツィーターとミッドバス)、イレイトカーボン・MM3(スコーカー)を採用した3ウェイでサブウーファーはウルティモ Ti104(25cm)を一発、エンクロージャーに収めてラゲッジ床下に搭載。再生プレーヤーはアウネ・GTS-1Proだ。たいへん使い勝手がよいという。なおDSPは、BRAXからリゾルト・T-DSP MK2に換装を行う。解像度が増し音質もさらに向上。

ウィリアムス浩子の課題曲「Rainy Days and Mondays」ではボーカルの低音域が濁らないように注意し、かつ厚みを持たせることでリアリティのあるリッチなサウンドを放つ。

◆トヨタ『ヤリスクロス』(オーナー:鈴木元秀さん)by ウィステリア

お気に入りのところを尋ねると「シンプルな構成でハイファイサウンドが楽しめています」と語ってくれたトヨタ『ヤリスクロス』のオーナー鈴木さんは、車内の質感や機能性を損なわないシステムをインストーラーに依頼している。

フロントは2ウェイ構成でモレル・SESUS 62をチョイス。サブウーファーはカロッツェリア・TS-W1000RSを搭載。再生プレーヤーは i BASSO・DX300MAXで、PLUG&PLAY・1080 DSPと組み合わせる。システムの総額は約80万円という。

課題曲の再現性に注力し綿密な調整を施す。ウィリアムス浩子の課題曲ではボーカルの静かで落ち着いた雰囲気を表現しながらも、存在感を十分に引き出すように心がけ、ピアノやベースの帯域バランスを整える。クラシックでは左右サウンドステージを広くとり、同時に定位(アライメント)に気をつけたという。

◆トヨタ・ランドクルーザー・プラド(オーナー:藤波彩乃さん)by エピック

「クルマを所有する前からカーオーディオに関心がありました」と語ってくれたトヨタ『ランドクルーザー・プラド』のオーナー藤波さん。同コンペ参加に相応しいシステム構成で、かつ素敵なインストールを披露してくれた。

まず目に止まったのがフロントのスピーカーでオーディソンの最上モデル「audison Thesis」を装備。コーン裏にLEDを仕掛けて光らすというアイデアは専門店ならでは。パワーアンプはモスコニ・ZERO3と4を使い各ユニットを精緻にドライブする。一方、再生プレーヤーはアウネ・GTS-1を主軸に miniDSP FLEXを経由後、ヘリックス・ULTRAと連結。

コンセプトは繊細な音の再現性とダイナミック(迫力)を叶えること。ハイレゾ音源の良さを十分に引き出し、DSP(位相/タイムアライメント等)機能を整合させて立体感ある明瞭なステージを創出する。

《永松巌》

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